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場外車券場計画が浮上 つくば

2008年03月19日

 つくば市のつくばエクスプレス(TX)万博記念公園駅近くで県が進めている区画整理事業地内で、競輪場の場外車券売り場建設計画が浮上している。周辺開発の遅れにいらだつ地権者らは誘致に乗り気だが、住民らは治安悪化などを心配し反対している。県や市は当面静観の構えだ。

 計画書によると、場外車券場の計画地は同駅から西に約1キロ離れた同市上河原崎・中西地区。TX沿線の中では開発が遅れている地区だ。全168ヘクタールの開発地には住宅地も予定され、将来1万1千人が住む。

 施設名は「サテライトつくば」。城里町に場外車券場を設置した業者が同名の現地法人を設立する。県道沿いの沿道サービス地区に、延べ床面積2千平方メートルの建物と駐車場500台分を建設。事業費は約12億円だ。6月に着工、12月に開業する計画で、営業は月25日、年間300日程度。1日2千人が来場し半数がTXを利用すると見込む。

 地元地権者らでつくるまちづくり協議会と地元の防犯協会、区長会は今月、市に場外車券場の誘致要望書を提出した。地元市議は「企業や商業施設を誘致しても全然来ない。場外車券場も昔のイメージと違い、そんなに悪影響はない。固定資産税を払う必要もあるし、土地の有効利用と考えてほしい」と説明する。

 だが、治安や住環境悪化を心配する周辺住民らは場外車券場への反対請願を市議会に提出。市議会特別委員会は17日、請願を継続審議にした。

 場外車券場付近が通学路になる地元3小中学校のPTAも子どもの安全を心配する。協議会に誘致の白紙撤回を申し入れたほか、市に計画中止を求める要望書を出した。

 誘致に反対する地権者は「コンビニさえまだ来ない。焦る気持ちはわかるが、場外車券場があると将来の宅地開発に逆効果だ」。誘致反対派の市議は「つくばスタイルと言いながら、ばくち場があるような開発でいいのか」と語気を強める。

 これに対し、市市長公室は「詳細を把握していない。必要に応じ地元の意見を聞く」。県は「地権者に土地利用してもらう前提なので、地元が総論として賛成なら(車券場も)考えないといけない」としている。

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