「卵(らん)戦! 卵焼き選手権」
だしの量はプロと同じでも……
今回番組が調べたところ、多くのプロは、卵3個に対して80ミリリットル程度のだしを入れることが判明しました。食べると口の中にたっぷりのだしがにじみ出て、驚くほどふっくらジューシーに仕上がります。
男女4人に、この分量で卵焼きを作っていただいて食べ比べをしました。焼きたてのときは、初心者のAさんの卵焼きが「ふんわりしておいしい」と一番人気になりました。ところが4人の卵焼きを弁当箱に詰めて、調理後2時間たって冷めたときに食べてもらうと、Aさんの卵焼きの人気は10票から4票にガタ落ち。一方、焼きたてでは5票だったBさんの卵焼きは「ふんわり、ジューシー」と評価され、12票を獲得してトップに躍り出ました。実はBさん、キャリア40年の卵焼きの達人だったのです。なぜこんな大逆転が起こったのでしょうか。
冷めた時の「素人 VS. 達人」
冷えた状態で食べた時の食感を調べると、素人(Aさん)のものは歯ごたえが少なく、ぐずぐず切れる感じがしました。達人のものは表面にしっかりとした歯ごたえがあり、噛み切るとふっくらとほぐれます。また、2人の卵焼きに重りを乗せ、噛んだときに出るだし汁の量を比べると、圧倒的に達人の卵焼きの方が多く、それだけジューシーであることが判明しました。
卵焼きの断面をマイクロスコープで拡大すると、素人の卵焼きは巻く時にできた大きな隙間がある他はツルンとしていました。これに対し、達人の卵焼きは細かい気泡がたくさんあるスポンジ状でした。
- 素人の卵焼き
- できたて:隙間にだしがたっぷり入り、ふんわりした状態
- 冷めたとき:その結果、隙間がつぶれて、だしが外へ流れ出た状態
- 達人の卵焼き:
- できたて:細かい気泡にだしがたっぷり含まれた状態
- 冷めたとき:冷めても気泡がつぶれず、噛むと初めてだしがあふれ出す
「細かな気泡がたくさん入ったスポンジ状」の卵焼きが、冷めてもふっくら、ジューシーである秘密だったのです!
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