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「ネット事件」と「有害サイト」(2)情報をどう読むか~メディア・リテラシー12渋井 哲也(2006-11-13 08:12)
「ネット事件」が起きると、関連サイトがプロバイダなどから削除される。日本の「ネット事件」への対策は、規制やフィルタリングが中心になっている。
たとえば、1998年のドクターキリコ事件や、同年のペット美容師自殺ほう助事件(発覚は2000年)が発生したとき、「自殺」を話題にする「自殺系サイト」の一部が削除された。 その一方で、「自傷系サイト」が誕生してきた。リストカットなどを「自殺未遂」ではなく、「自傷行為」として話題にするサイトが増えた。それまで「自傷」で検索すると、自閉症関連の学術サイトが多かったが、若者がカミングアウトするブログも多くなっている。ただ、「自傷」についても、一部のブログや日記サイトは規制を受けているのが現状だ。 ネットの「有害情報」(有害サイト)を規制する流れはどこから来たのだろうか。98年8月の「青少年とパソコンなどに関する調報告書」(総務庁)や同年10月の「ネットワーク上の少年に有害な環境に関する調査委員会報告書」(警察庁)などを受けて、ネットの有害情報(有害サイト)が規制される方向が打ち出された。 当初、規制対象の「有害サイト」は「ポルノ画像」が主流だった。96年8月の「第1回子どもの商業的性的搾取に反対する世界会議」(ストックホルム会議)で、日本が「児童ポルノの発信国だ」との指摘を受けていたからだ。ただ、「児童ポルノ」の定義は曖昧。中には「児童に見える」成人の被写体も含まれている。実際の調査ではなく、サイト上の調査で「児童に見えるポルノ」が問題にされていた。 こうした調査方法の是非は問われず、国際世論の流れに沿う形で、日本は99年5月、「児童ポルノ大国」のレッテルを貼られないようにと、「児童買春・児童ポルノ処罰法」(児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律)を成立させた。これによって、「児童ポルノを頒布し、販売し、業として貸与し、又は公然と陳列」することが罪となり、児童ポルノ関連サイトが規制されていく。ただし、規制される「児童ポルノ」には、「絵」は含まれない。漫画などの「絵」は、実際の児童の権利を侵害したことにならないためである。 一方、「出会い系サイト」が規制対象として検討され始めたのは、01年5月に発足した警察庁の「インターネット上の少年に有害なコンテンツ対策研究会」だった。児童買春事件が「テレクラ」から「出会い系サイト」に舞台を移していた時期でもあった。テレクラ規制が「店舗型出会い系サイト」や「出会い系のケータイサイト」を産み出したといっても過言ではない。 警察庁の上記研究会報告書は「有害サイト」を以下のように説明する。 「我が国において、“少年に有害なコンテンツとはなにか”を考える場合、実世界の少年の健全育成を図ることを目的とする青少年保護条例等が判断の参考のひとつとなるものと思われる」 「インターネット上には、このような有害図書等とパラレルなものの他にも誹謗中傷や『出会い系サイト』といったものが存在しており、少年が安易にアクセスもできるところとなっていることから、これらを含めて設置基準と対策が必要である」 こうした流れから、「有害サイト」規制は、青少年の健全育成とセットで位置づけられる。現行の青少年保護条例と同じように、「有害情報」の排除、という形になった。 インターネットは全世界とつながっているのであり、「有害サイト」の排除は現実的ではない。国内サイトを規制できても、海外サイトへの規制は難しい。しかし、そうした状況とは裏腹に、年齢認証やフィルタリングの実施といった施策が中心で、インターネット・リテラシーとは逆の方向へと流れていった。(この項つづく) (NPO法人・ユナイテッド・フューチャー・プレス) 【しぶい・てつや】 1969年栃木県生まれ。93年東洋大学法学部卒。「長野日報」社を経て、98年フリーに。2001年東洋大学大学院文学研究科教育学専攻博士前期課程修了。著書に『「田中康夫」研究』(ワニブックス)、『ネット心中』(NHK出版)など、新著は『ウェブ恋愛』(ちくま新書)。 【関連記事】 「ネット情報」と「有害サイト」 高校生に取材されたテレビ局(下) 高校生に取材されたテレビ局(上) 事実をともに掘り起こすための参加 取材される側に回った「ネット心中」事件 追加取材で初めて見える第1報とは異なる実像 ネット心中事件に見るマスメディアの短絡志向 オウム事件、マスコミ報道から見えない真実 発言した事実と、発言内容の事実性 「逮捕」を「犯人」と思い込む危険 警察リーク情報の危うさ バックナンバー
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