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【茨城】

TX沿線に場外車券場 開発事業に大幅遅れ 公営ギャンブル場計画 

2008年3月8日

サテライトつくばの建設が計画されている現場=つくば市で

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 つくばエクスプレス(TX)沿線開発地区のうち、県が事業主体の上河原崎・中西地区(つくば市島名)で、競輪の場外車券売り場の建設計画が進んでいることが七日、分かった。これまで同地区の商業地は進出企業が全く決まっておらず、住宅地の造成も始まっていない。施設は年内の完成を目指している。公営ギャンブルを核としたまちづくりが進む可能性もあり、論議を呼びそうだ。 (小沢伸介)

 事業計画書などによると、施設名は「サテライトつくば」で、城里町にある競輪の場外車券売り場を運営する業者が設置する。TX万博記念公園駅西側の県道沿いに約一万平方メートルの用地を借り、延べ二千平方メートルの建物と約五百台分の駐車場を設ける。総事業費は約十二億円。

 用地は、市が地権者の要望を受け、沿道サービス地区への都市計画変更を来月にも決定する。業者は六月に着工し、十二月の開業を予定。営業は月間二十五日程度で、来場者は一日二千人を想定しており、半数がTXを利用して来場すると見込んでいる。

 関係者によると、地元のまちづくり協議会や防犯協会、区長会、島名小と高山中のPTA役員らを対象とした説明会では、これまでに大きな反対がなかったという。協議会などが七日、サテライト誘致の要望書を市に提出した。

 県つくばまちづくりセンターによると、上河原崎・中西地区は二〇〇〇年から開発に着手。しかし、駅から遠い地理的条件のため、事業の進行が大幅に遅れており、TX沿線で同地区の開発が取り残されているという。

 島名地区まちづくり協議会役員の木村倉ノ助市議は「大型商業施設の誘致を工夫してきたが、一坪も売れない。地権者は固定資産税が高くなり困っている」と窮状を訴え「住民の八割は計画に賛成している。誘致によるイメージダウンはあまりないと思う」と話す。

 一方、計画に反対している滝口隆一市議は「周辺に移り住んだ人は『場外車券場計画があるなら来なかった』と不満を抱いている。将来のまちづくりが心配だ」と話す。

 市TXまちづくり推進課は「まちづくりは地元協議会を中心に、地権者の要望に沿って進めている。今回の件では具体的な情報がなくコメントできない」としている。

 

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