九州大病院から派遣された外科医6人が引き揚げる異例の事態となっている県立病院好生館(佐賀市水ケ江)で、河野仁志館長(57)が今月で辞職することが17日までに決まった。理由は「一身上の都合」だが、後任人事は現在も白紙。また、緩和ケアセンターの医師と眼科医も1人ずつ退職する。眼科医は補充がなく、医師不足の深刻さに拍車が掛かっている。
九大病院出身の河野館長は2月に辞表を提出、受理された。九大側によると、館長の辞職後も九大からの医師派遣を続ける予定だったが、県が他大出身者を採用する動きを見せたため、異論を唱えたところ、古川康知事から派遣を断る通知があったという。
このため、九大は外科医6人に加え、緩和ケアセンターに派遣していた外科医1人も引き揚げることを決めた。県はいずれも佐賀大から補充する方向で調整しているが、同センターの医師は定員2人のところを1人でやっており、1減体制は変わらない。【上田泰嗣】
毎日新聞 2008年3月18日