信長も秀吉も観光資源
《愛知が「武将のふるさと」馬印上げる》

 3英傑の故郷、愛知県が武将を観光の目玉にした取り組みを進めている。郷土が誇る英雄は今や立派な観光資源? ユニークな「武将観光」。その戦略とは―。(希)

■江戸末期の全国藩主7割を排出
「武将を観光素材として扱い始めたのは5年前。県が『武将のふるさと愛知』というホームページ(http://www.busho−aichi.jp/)を立ち上げてから。愛知は武将を輩出している地域。もっとアピールしようと思った」と県観光協会。
 愛知県は戦国時代に織田信長、豊臣秀吉、徳川家康らをはじめ有名武将が出生。江戸時代末期には全国270藩のうち約7割の藩主が愛知県出身だったという。県観光コンベンション課の中野文夫さんは「武将が生まれた場所という事実は大きな魅力。掘り起こせば面白い物がいろいろ出てくるので見せ方を工夫できる。観光は発想ですから」と話す。
 県は現在、各市町村とともに県内各地に点在する武将関連の史跡を網羅した観光コースを作成中。最終的には大型バスなどで回れる本格的な旅行商品をつくる予定だ。最近はコース整備のために武将を生んだ県内各地の観光関係者らを集めて史跡を巡るモニターツアーも開始した。
 記者は2月末に開催されたツアーに同行。この日は「織田信長の出世街道」をメーンテーマに信長の出生地とされる勝幡城跡(稲沢市)や信長があがめた津島神社(津島市)などを回るコース。県内の「信長ゆかりの地」の観光関係者ら38人が参加。各史跡では地元ボランティアや学芸員が工夫を凝らしてガイド。参加者は熱心に聞いてメモを取っていた。
 参加した愛知県蟹江町観光協会の寺西隆雄さんは「観光コース整備のためにはまず地元のことを知らなければ。県内の観光素材を実際に見て回ることはとても勉強になった」と話した。
 「今は愛知県ゆかりの武将を網羅したパンフレットを作っているところ。モニターツアーも続けていく」と県観光協会。3月20〜23日には甲冑(かっちゅう)やパネルの展示を行う「武将観光特別展」を丸栄(名古屋市中区)で実施。4月10〜13日にはナゴヤドーム(同東区)で開催される「アクティブシニア・フェア2008」にもブースを出す予定だ。
 かつて3英傑が天下統一の野望を燃やした愛知。再び熱い鬨(とき)の声が上がる日も近い。


(2008年3月18日更新)


18日のニュース



コラム



サイト内検索


AND OR
このページの著作権は社団法人名古屋タイムズ社に属します。無断での複写、転載を一切禁じます。
Copyright(C)2008 The Nagoya Times All Right Reserved.