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【社会】

所在地は国交省課長の自宅 セラヴィ航路、譲渡予定先の会社

2008年3月16日 朝刊

 三重県四日市市と中部国際空港(愛知県常滑市)を結ぶ海上航路の事業譲渡の手続きをセラヴィ観光汽船(四日市市)が進めている問題で、譲り受けを予定している新会社「YAL」の登記上の所在地が、四日市市内にある国土交通省中部地方整備局の課長(52)の自宅であることが分かった。

 課長は2005年4月から2年間、同市に出向し、航路開設に携わった。課長によると、地元企業の経営者が航路継続のため今年2月にYALを設立する際、本社を置く適当な場所がないと相談を受け、譲渡が決まるまでの仮の処置として協力したという。

 YALの井上峯夫社長(64)は「(課長に)軽い気持ちで頼んでしまった」と話し、譲渡までの暫定措置だったことを強調。「事業開始までには、セラヴィ観光汽船が入居する四日市浜園ターミナルに移す」と話している。

 YALには、この課長の妻(52)も出資し、役員4人の中に入っている。代表権はなく、妻は「夫が開設に尽くした航路があっという間につぶれるのは忍びないと思った」と説明している。

 国家公務員倫理規程では、職務として許認可を与えるなど利害関係が絡む事業者らからの金銭や物品、不動産の受け取りを禁じ、利害関係者以外から社会通念を超える供応接待、財産上の利益の供与を受けることを禁じている。

 課長は「(登記上の所在地になっていることで)家賃などはもらっていない。自分の職務は(中部運輸局が所管する)航路事業の許認可とは無関係で、倫理規程には触れないと思う」と話している。中部地方整備局は「今後、事実関係を確認する」としている。

 

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