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2008年3月18日

 園児でも知っているカンガルーは、オーストラリアの国を象徴する動物である。国章にも取り入れられている

同国で絶滅の危機にある動物が多いなか、生息数は増え続けており、現在、約五千万匹以上といわれている。だが、軍用地で過剰に繁殖しているとして、国防省が約五百匹を近く安楽死させることを明らかにした

また、同国では羊へのうじの寄生を防ぐため、子羊の尻の皮膚を麻酔なしで切り取る手術が伝統的に行われているそうだ。もちろん、動物保護団体は反発した。このような「蛮行」を認めている国が調査捕鯨を批判している。何をか言わんや

どの国にも伝統文化がある。日本の捕鯨は縄文時代からと言われており、捕獲した鯨はほぼ百パーセント利用されている。乱獲や虐待を容認するわけではないが、保護団体が一部の動物だけを見て過激な抗議行動をするのは鼻白む。科学性以前に個人的感情が前面に出てくるためでもあろう

カンガルーは後退できないため、前進し続ける国の願いを込めてオーストラリアの国章に選ばれたという。捕鯨に対する偏狭な見方は、前進どころか問題解決の逆行になりはしまいか。


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