
小児科医の退職申し出でNICUが休止に追い込まれる恐れがある富山市民病院=同市今泉北部町
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富山市民病院の新生児集中治療室(NICU)が、小児科医二人の退職申し出により、
医師不足で体制を維持できなくなる恐れがあることが十七日、分かった。同病院は二人の
慰留に努める一方、後任の医師探しに乗り出したが、医師を確保できなければNICUが
休止に追い込まれる見通しだ。
富山市民病院のNICUは一九八三(昭和五十八)年に設置された。病床数は十四床で
、現在五人が入院しており、短時間勤務の一人を含む小児科六人と小児外科三人、産婦人
科四人の医師が運営に当たっている。同病院事務局によると、小児科については外来や入
院患者の診療もあるため、現状でもNICUを維持するには、ぎりぎりの人数となってい
る。
退職を申し出たうち、一人は富大附属病院の医局の出身で、NICUの責任者を務めて
いる。もう一人は臨床研修医時代から富山市民病院に勤務しており、いずれも「自己都合
」で退職を希望している。
富山市内では市民病院のほか、富大附属病院と県立中央病院がNICUを設置している
。県小児科・産科等医療対策検討会は昨年二月の中間報告で、NICUについて「富山市
内では複数の病院で毎日当直しており、効率性の観点から集約化も検討する必要がある」
としていた。
富山市民病院は、NICUの廃止は検討していないとしており、医師の確保に向けて十
七日には金大に働き掛けを行った。