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会田誠さんとの座談会 [日記]

会田誠さんとの座談会を終えて、今帰ってきたところである。

基本的には噛み合わないというか、
次元が全く違うところで、生きている人で、
お互いに交差しようのないものだけれども、
それでも、何とかは、まとまったように思う。
あとは起きてきた文字の段階の調整だろう。

面白いことはいくつもあったが、
会田さんがこのブログで、美人論をソフィア・ローレンで見て、
嫌だと思ったというのである。
普通のかわいい子の方が良いという。
まあそれは分かるけれども、それでは〈超1流〉は見えない。
もちろん会田さんは、そんな〈超1流〉なんというものは、
見たくないのだろうけれども。

そういう意味では会田さんの《6流》のイラストで、
しかも合法で、実体的な絵は、私には面白くない。
ソフィアローレンの方が、鑑賞に値するのである(笑)。

常識的には会田誠さんが絵描きなのだろうが、
座談会でも私が言い出したが、材料の事があって、
彼は意図的に悪い画材を使って作っていて、将来に禍根を残している。

私は、オーソドックスに、正当な作品を死後に残す方にかける。
それが、それこそ無駄であろうとも、きちんとまともなことをしたいと思う。

それでも、会田さんの司会で、会田さんの考えに触れたことは、
刺激になる。
ローアートの視点を、嫌と言うほどに浴びせられたと言える。
会田さんとの比較で言うと、どう見ても、私の方が異常なのだ。
会田さんは常識的である。

さて、事情を説明しなければならない。
メールが、下記の様に来たのである。

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彦坂尚嘉さま

突然のメールにて失礼します。
「美術手帖」編集部の岩渕と申します。

美術手帖への座談会出席でのご協力をお願いしたくメール差し上げました。

美術手帖5月号(4月17日)では、会田誠さんの特集を企画しており、
その会田さんから彦坂さんを含めたペインターの方との座談会をしたい
という提案をいただきました。

会田さんの依頼の趣旨につきまして、会田さんから彦坂さんへの
依頼のお手紙がありますので、そちらをお読みください。

美術手帖としても世代の異なるアーティストの交流がもっと盛んになれば、
盛り上がるし若い作家にも刺激になると思っており、ぜひとも実現させたい企画です。

スケジュールの調整や取材の段取りなどは、編集部の岩渕が担当します。

ご参加いただけるとのことでしたら、
3月1日(土)〜3月16日(日)で調整させていただければと
思っておりますので、ご都合の良い日にちをお知らせください。

会田さんのお手紙にもありますが、14ページの記事で、
場所は美学校を予定しています。
時間は余裕をもって午後いっぱいくらいになるかと思います。

どうぞご検討よろしくお願いします。
また、ご連絡させていただきます。

+++++++++++++++++++++++++++
岩渕 貞哉 Iwabuchi Teiya 
『美術手帖』編集部 (株)美術出版社
〒101-8417 東京千代田区神田神保町2-38 稲岡九段ビル8階
tel. 03-3234-2155 fax. 03-3234-1365
iwabuchi@bijutsu.co.jp

以下、会田さんから彦坂さんへのお願いのお手紙です。
*********************************
彦坂尚嘉様

お久しぶりです、会田誠です。突然のメールで失礼します。ちょっと特殊な誌上鼎談
の依頼をさせてください。
美術手帖の5月号で、僕とその周辺、といったテーマの特集が組まれます(『あらうん
どTHE会田誠』という、ふざけたような偉ぶったような特集タイトルですが、これは僕
が希望を出して通ったものです)。基本的には、僕の元教え子の新人アーチストたちな
どを紹介します。しかし僕は自分の仲間や身内だけで特集を固めるのはマズいと思い
ました。誌面の充実のためにも、美術手帖という雑誌の社会的役割としても、もっと
ワイドな視点が必要なはずです。
そこで僕とはかなり違う芸術上のポリシーを持った方々にもたくさん登場してもらう
ことにしました。例えば、政治的保守の立場を表明するライターの○○○○さん(寄
稿)、一般人とのコミュニケーションで作品を作る国際派の○○○○さん(寄稿)、
アトリエを出て社会活動に重点を置いたアート表現をやっている○○○○○さんや○○○○さんや
○○○○さん(座談)、等です(いずれもこれからオファーします)。

そこで彦坂さんにお願いなのですが、「地獄の居残りゼミ・劣等生会田誠にモダニズ
ム絵画を叩き込む!」(あくまでも仮題ですが、僕は気に入ってます)という14ページに
わたる鼎談に出席してもらえないでしょうか?
ここでは純粋に絵画の問題にだけ、テーマを絞りたいと思います。具体的にいえば、
セザンヌ、抽象画、モダニズム、フォーマリズム、抽象表現主義、それらの流れを踏
まえた現在描かれるべき正統な絵画・・・といった領域の話です。これらは僕の不得
意で無知な分野であり、それは同時に、この特集を買ってくれるであろう僕のファン
にもいえることだと思います。僕個人と若いBT読者の知性向上のために、一肌脱いで
もらえないでしょうか?
タイトルが示す通り、僕は生徒的立場にいて、彦坂さんには先生的立場にいてもらう、
という特殊な鼎談を予定しています(あまりお芝居じみた感じにはしませんが)。
先生的立場の出席者としてもう2名、○○○○さんと○○○○さんを予定していま
す(これと同文のメールを同時に両氏にも送っています)。
先生的立場を3名にしたいのは、当然予想される3名の意見の相違が、話を重層的・立
体的にしてくれそうだからですが、分かりやすく「僕が怖い先生(先輩)に取り囲まれ
てる図」が作りたいためでもあります。
僕は<エロや政治ネタを和風イラストタッチで描く邪道絵描き>という今までのキャリ
アは基本的に棚上げして、なるべく無垢な絵画1年生として臨みたいと思います。あま
り口答えはしないけれど、しつこく基礎的な質問ばかりする生徒、という感じでしょ
うか(それだけでは鼎談全体が面白くならないようなら、臨機応変に”地”を出します
が)。
少し絵画の実習もやりたいと思います。簡単なドローイングができる鉛筆と水彩絵の
具と紙を用意しておきます。僕がやって、やりながら3名にああだこうだ言って欲しい
のですが、もし気が向けば、彦坂さんも手本として描いてみる、というのも大いにア
リです。
鼎談の場所は、実習のできる教室らしい空間として、今のところ神保町の美学校を予
定していますが、変更可能です。
彦坂さんの近作1点も誌面で紹介させてください。

P.S.
もし彦坂さんか、あるいは他2名のうちどなたかがこの企画を断られたとしても、僕と
しては「3名の先生」という構造は崩したくありません。なので、その場合は別の方に
オファーしますが、評論家や学者ではなく、あくまでも現役のペインターにお願いす
るつもりです。とはいえこの3名が、僕がそれぞれ面識や関係があるという意味もあっ
て(因に○○さんは僕の学生時代の担当助手でした)ベストメンバーです。どうかよろ
しくお願いします!!
会田誠

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さて、現実の座談会は、下記のようになった。

………………………………………………………………………………
彦坂尚嘉さま

このたびはお世話になります。

「美術手帖」5月号(4/17発売)での「会田誠特集」の座談会の詳細をお送りします。記
事は、12ページの予定です。

■日時 3月16日(日) 13時〜 2〜3時間程度

■場所 美学校
 住所 千代田区神田神保町2-20第2富士ビル3F
 電話 03-3262-2529
 アクセス 地下鉄神保町駅A3下口より徒歩
http://www.bigakko.jp/contactus.htm

■参加者 彦坂尚嘉 辰野登恵子 古谷利裕 会田誠(司会/生徒)

また、当日は写真撮影が入ります。
会田さんと編集部は、12時半には、美学校で準備をしています。
当日、場所がわからないなどありましたら、岩渕携帯までご連絡ください。

岩渕貞哉(いわぶち・ていや) 090-6033-1997

どうぞよろしくお願いします。
岩渕貞哉

(株)美術出版社 『美術手帖/BT』編集部
東京都千代田区神田神保町2−38
稲岡九段ビル8階 〒101−8417 
Tel:03-3234-2155
Fax:03-3234-1365
E-mail: iwabuchi@bijutsu.co.jp
http://book.bijutsu.co.jp/

………………………………………………………………………………
というわけで、この座談会を終えて帰ってきた。

ある意味で、同じアーティストといっても、
ずいぶんと違う人々と話して、
面白かったし、
そして、その差異の確認は勉強になった、
座談会の中で会田さんも言っていたが、
彦坂と言う作家は、かなりおかしい異質なタイプなのだと、
思った。

辰野登恵子さんとは、久しぶりに会った。
20年ぶりくらいである。






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