福岡県産の高級いちご、「あまおう」を海外に輸出しようというプロジェクトが拡大しています。
こちらは福岡市内できょう買ってきた物ですが、1パックで780円で売られていました。
この「あまおう」、アジアやアメリカに続いて、ロシアでもきょうから売り出されました。
あまおう輸出プロジェクトを取材しました。
ひときわ大きく、真っ赤ないちご、「あまおう」。
全国2位のいちごの生産地である福岡県が、8年前に開発しました。
福岡県内でしか栽培できないブランド農産物です。
このあまおうをロシアへ輸出しようというプロジェクトが今、進んでいます。
日本のいちごでは初めての試みです。
朝摘みされたいちごが、次々とJAのパッケージセンターに集まってきました。
ここでパック詰めされます。
傷まないように一段詰めで中身は300グラム。
8粒から12粒入ります。
今回は300パックが輸出されます。
あまおうの海外輸出は2003年から始まり、香港を中心にシンガポールやタイ、台湾へ年間50トン以上が輸出されています。
あまおうの生産量は年間1万2,000トン以上。
輸出量はまだ微々たるものですが、海外へ販路を広げようとしているのは、日本での需要と供給のバランスを取って国内価格の低下を抑えようという狙いもあります。
容量が違うので単純には比較できませんが、タイの国内産は75バーツ、ニュージーランドからの輸入物は139バーツ。
日本のあまおうは別格の扱いです。
この日は、あまおうの試食会が開かれました。
タイ人の反応はどうでしょうか。
この店では週に70パック程度仕入れ、すぐに売り切れてしまうというあまおう。
購入客のほとんどがタイ人で、この男性も8パック、何と一度に2万8,000円分も買って行きました。
アジアでの人気ぶりに、さらに販路の拡大を狙うJAが、次のターゲットとして目をつけたのがアメリカとロシア。
特にロシアは、生産がピークを迎える3月4月の輸出先として期待がかかっています。
この日、ロシアへの輸出に関してJA側と輸出業者や運送業者などとの打ち合わせが行われました。
一番の課題は「容器」。
デリケートないちごを傷めずに、しかも効率よく運ぶにはどうしたらよいのか。
JAでは現在専用容器を開発中で、この日は試作品が出来上がってきました。
企業秘密ということで残念ながら見せることはできませんが、傷みにくいように工夫され、丈夫なふた付きのパックです。
コストは2倍程度かかりますが、とりあえず、次回この試作品に詰めて運んでみることになりました。
ロシアへ輸出されたあまおうは、モスクワの高級スーパーで1パック5,000円から5,500円で店頭に並びます。
アジアよりも更に高いですが、年末に実施された試験販売では大好評でした。
福岡県産のあまおうがロシアへ。
JAグループでは容器や輸送方法などで試行を重ね、来シーズン、今年の12月には週に1回程度の本格的な輸出を目指しています。