2008.03.17 Web posted at:  20:38  JST Updated - AP
サイエンス

氷河の縮小が加速、数十年で消滅も 国連が警告

チューリヒ(AP) 国連環境計画(UNEP)は16日、世界各地で氷河の縮小が急激に加速しているとする報告書を出した。氷河の多くは、数十年のうちに消滅する恐れがあるという。

UNEPによると、世界30カ所近くの氷河の状態を監視している世界氷河モニタリングサービス(WGMS)の調査で、氷河の縮小が記録的ペースに達していることが分かった。最新の06年の数字では、氷河の厚さが1年間に平均約1・5メートル減っていた。最も縮小が激しかったのは、ノルウェー・ブライダルブリックブレア氷河の3・1メートルだった。一方、1年間で厚さが増したのは、チリ・エチャウレンノルテ氷河の1カ所のみだった。

UNEPはこの結果から、「現在のペースが続けば、ヒマラヤ山脈の氷河を水源とするインド、ロッキー山脈やシエラネバダ山脈を背後にひかえる北米西海岸などに、重大な影響が及ぶことになる」と警告。各国政府に、温室効果ガスの排出削減をはじめとする温暖化対策への取り組みを強く呼び掛けた。

WGMSによると、氷河縮小のペースは1980‐1999年が平均約30センチだったが、2000年以降は約50センチに達していた。加速を食い止める方法は、今のところ確立されていない。

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