大阪府豊中市の私立大商学園高校で昨年2月、1年の岸祐太朗さん(当時16歳)が自殺した問題で、自殺発覚から1年となる27日、祐太朗さんの母紀子さんが毎日新聞に手記を寄せた。
手記は「死にたいと思っているあなたへ」と題して、自殺を考えている子どもたちにあてた内容。子どもたちが自ら命を絶つ悲しい事件がこれ以上続かないようにという願いがこもる。祐太朗さんの自殺前後の出来事を振り返り、「残された家族はそのことによって自分を責め、一生苦しみ続けることを分かってほしい」と訴えている。
祐太朗さんは昨年2月27日早朝、同校体育館3階にある放送室内の倉庫で首をつって死亡しているのが見つかった。前日の26日夜に自殺したとみられている。
手記の中では、自殺の本当の理由は分からないとしながらも、祐太朗さんが生前、学校の指導方針に不満をもらしていたほか、校内のトイレであった不審火に絡んで犯人と疑われ、疲れていたのかもしれない、と記している。これに対し同校は「校内で調査をしたが、放火を疑った事実はない」と否定している。【澤木政輝】
2008年2月28日