第2回 体験活動
第2回 体験活動
■実施日:平成19年11月17日(土)・18日(日)・12月2日(日)10:00〜16:00
■実施場所:山梨県富士河口湖町大石地区山林内
■参加者:22〜24名(11/17:22名、11/18:23名、12/2:24名)
■活動のテーマ・ねらい:
「炭窯作り体験」
前回、間伐体験で切り出した木材を炭にするための『炭窯』を作っていく。
炭窯を作るにあたり、炭とはどんなものなのか、昔の人は炭をどうやって作り、どうやって利用してきたのかを学び、資源の利用価値に気づく。
更に炭窯を作るという作業を通し、参加者の子供同士はもちろん、子供と大人、大人同士、参加者と指導者等のコミュニケーションを深め、集団における課題解決や将来的に地域での活動の輪を広げていく。
■スタッフ
<講師>炭窯作り・炭焼き経験者:山本義一、網野貴章
<地域関係>アサヒナ(林業関係):朝比奈 茂
NPO法人F-CONE:三浦こずえ、小林智文
<地域事務局>NPO法人フィールズ:田中孝治、白輪地美幸、田村孝次、米田昌生
■スケジュール
<1日目>
10:00〜10:15 集合・受付、現場へ移動
10:15〜10:40 これから作る炭・炭窯についての説明
10:40〜12:00 炭窯を作るための整地作業
12:00〜12:30 昼食
12:30〜15:30 炭窯を作るための整地作業
<2日目>
10:00〜10:15 集合・受付、現場へ移動
10:15〜12:00 炭窯の基礎作り
12:00〜12:30 昼食
12:30〜15:30 炭窯の基礎作り
<3日目>
10:00〜10:15 集合・受付、現場へ移動
10:15〜12:00 炭窯作り(レンガつみ)
12:00〜12:30 昼食
12:30〜15:30 炭窯作り(レンガつみ)
■プログラム内容
<炭・炭窯についての説明>
前回、間伐作業で切り出した木から、炭になるまでの一連の行程の説明。炭とは、材木から
水分などを抜き炭素のみにしたものであること。昔は、この地域でも炭焼きが盛んに行われていた。重い木材を軽くし、運び易くしかも利用し易い炭という形にしていた。昔の人の知恵として炭焼きは発展してきたことを参加者に伝える。現在は、炭焼きだけではなく、森の手入れをしなくなり荒れ放題の山が増えている。今回の事業を通じて自分の回りにある自然も利用の仕方で豊かな資源になることを説明した。その後、炭を焼く為の炭窯の構造・しくみの説明を簡単に行った。
<炭窯設置場所の整地作業>
(1) 鍬やスコップ、重機などを使い斜面を切り崩しながら、設置場所を平らにする。
(2) 木の根・枝・葉など余計なものは取り除く。
(3) 型にするコンパネを敷き、設置場所の大きさを整えていく。
(4) 直径10〜15cmくらいの丸太を30cmに切ったもので地面をたたき固める。
(5) 水平器で確認しながら平らにならしていく。
<基礎の型枠作り>
平らにならした地面に型となるコンパネを敷き、その周りに細長く切ったコンパネで型枠を作る。大きいので複数人で声を掛け合いながら進める。
<炭窯の基礎(床)作り>
炭焼きの際に木から出てくる水分を窯の外に流しだす為のU字溝を中心に埋め込む。型枠の中にコンクリートを流し込み、炭窯の基礎(床)とする。
<基礎(床)へのレンガ積み>
固まったコンクリートにチョークで印をつけ、レンガを積んでいく。水平器を利用し、確認しながら均一にレンガを積み、隙間をコンクリートで埋める作業を役割分担しながら、進めていく。各係とも大人と子供を組み合わせ、安全管理とともに世代間の交流を図った。
<炭焼についての説明>
炭窯のどこで火を熾し、どこから煙や木酢液が出てくるのかなど、子供達の想像がつきやすい説明をし、次へのイメージを付けさせた。
■評価会報告
<1日目>
今回は“炭窯を作るための整地”という地味な作業であったが、子供も大人も皆真剣に一生懸命に作業を行っていたのが印象的であった。
斜面を切り崩して、平らな場所を作るのに木の根や埋まっていた枝などに苦労していたが、土の中の虫や幼虫などが出てくるたびに子供たちが歓声を上げ、しばらく観察を続け、また作業に取り掛かる場面が度々見られた。面倒くさいと思われがちな作業の中にも楽しみを見つける子供の目は、すごいと思わされた。
明日以降も地道な作業が続くので、今日のような姿勢で取り組むことが出来るようにこちらの仕掛け作りが必要になってくるのではないかと感じた。
参加者共々、事務局としてもがんばって行きたい。
<2日目>
型を並べ、枠を作っていくと、だんだんと形が見えてきて、イメージがつきやすくなってきた。参加者の子供たちも今まで何も無かったところに、自分たちで炭窯を作るというのが想像がついてきた様子であった。
自分たちでコンクリートを練っていく作業は、ほとんどの参加者が初めてで、最初は“おっかな、びっくり”という感じで行っていたが、作業を進めるにつれ、だんだんと手際が良くなっていったように感じた。子供たち同士で声を掛け合い、協力しながら作業をする場面も見られた。
作業工程上、仕方がないのかもしれないが小さな子供には難しい作業が途中あり、何も出来ずにまわりで持て余している子供の姿が見られた。今後、直接“炭窯作り”に関係の無い作業でも、何か出来る仕事を与え、一緒にやっているということを感じてもらうことが必要ではないかと感じた。
<3日目>
思っていたよりも手間と根気の要る作業であった。予定していたよりも作業は進まなかった。遅れた分は、今後事務局側ですすめていくこととした。
単純な作業なので、飽きてしまう参加者も見受けられたが、それ以外は黙々とレンガを積んでいた姿が印象的だった。途中、複雑な作業を行う場面もあったが講師の方に指導をいただきながら作業を進め、お互いに教えあったり、支えあったりしながら行っていた。
反省する点は、作業予定の立て方が今回はかなり甘かった。予定がだいぶ遅れてしまった。今後は、もう少し慎重に予定を立てることに注意したい。
