4. 棋士/坂東 香奈子
4.自分が向いている役を演じるつもりで職業を選ぶ
「私の周りには、結構頑張っている人が多いように思います。高校3年のときの同級生は、しっかりと将来を考えている人が多かった。大学でも、希望職種と関連するバイトやダブルスクールなど、自分で目標を持ち、積極的に努力をしている人がたくさんいます。だから私ばかり頑張っているという気には、なりません」。
彼女はいち早く“好き”なものを見出し、それを仕事にし、プロフェッショナルとして生きてきた。だが、それを鼻にかけ、同世代の人々を見下したりすることはない。その証拠に、彼女は自分がプロの棋士であることを、あまり口外してこなかった。高校時代はもちろん、現在通う大学でも、ほとんどの人が彼女がプロ棋士であることを、知らない。正直、女流棋士という存在は多くの人に知ってもらいたい。それがプロ棋士の重要な仕事であるのだから。だが、彼女という一個人を主張するために、自分がプロフェッショナルであることをわざわざ知ってもらおうとは、彼女は考えていない。それよりも、“好き”なことに身を置けること――それが結果としてプロ棋士の世界なのだが――のほうが、より重要なのである。
「今私が仕事としてやっている棋士は、“好き”という原点で選んだ職業。突き詰めていけばそれだけです。でもそれは、小学6年生の頃、女流育成会に入ったときに抱いた“好き”と基本的には同じです。その頃、収入など全く関係なく“好き”だと思えたことが、大事なような気がします。これからもこの“好き”な気持ちを大切にして、プロ棋士として頑張っていきたいと思います」。
彼女はいち早く“好き”なものを見出し、それを仕事にし、プロフェッショナルとして生きてきた。だが、それを鼻にかけ、同世代の人々を見下したりすることはない。その証拠に、彼女は自分がプロの棋士であることを、あまり口外してこなかった。高校時代はもちろん、現在通う大学でも、ほとんどの人が彼女がプロ棋士であることを、知らない。正直、女流棋士という存在は多くの人に知ってもらいたい。それがプロ棋士の重要な仕事であるのだから。だが、彼女という一個人を主張するために、自分がプロフェッショナルであることをわざわざ知ってもらおうとは、彼女は考えていない。それよりも、“好き”なことに身を置けること――それが結果としてプロ棋士の世界なのだが――のほうが、より重要なのである。
「今私が仕事としてやっている棋士は、“好き”という原点で選んだ職業。突き詰めていけばそれだけです。でもそれは、小学6年生の頃、女流育成会に入ったときに抱いた“好き”と基本的には同じです。その頃、収入など全く関係なく“好き”だと思えたことが、大事なような気がします。これからもこの“好き”な気持ちを大切にして、プロ棋士として頑張っていきたいと思います」。
坂東さんは、今の時代珍しいほど純粋な「文学少女」。その読書量は、今回の取材をセッティングしていただいた某出版社の方々も舌を巻くほど。文学部に進学したのは、まさに文学に身を置きたいが為。「通学の間に本を読みますね。特に中学時代の長い通学時間は、本当に沢山の本を読みました」。彼女は“好き”であることがどういうことなのか、しっかりと分かっている。それは将棋だけでなく、本を語る言葉の中からも、ひしひしと伝わってくる。
坂東さん、お忙しい中、本当に有難うございます。この場を借りて御礼申し上げます。今後のプロ棋士としてのご活躍を、心からお祈りいたします。
坂東さん、お忙しい中、本当に有難うございます。この場を借りて御礼申し上げます。今後のプロ棋士としてのご活躍を、心からお祈りいたします。
<取材・文 種藤 潤>