ジンコム 〜人事.com09〜

合同説明会&インターンシップ&就職勉強会 開催数No1宣言。

4. 棋士/坂東 香奈子

2. おじさんに勝ったから、将棋にのめりこんでいった

彼女は物心付いたときには、将棋と触れ合っていた。幼稚園の頃、父親から将棋のルールを学び、対局するように。
「その頃は将棋をボードゲームの一つとしてしか考えていませんでした。特別面白かった記憶は…ありません(笑)」。

そして小学校に上がると、将棋連盟道場に通い始めるようになる。「道場では、父親以外の人と指すのが楽しくてしょうがなかった。もう…深く考えずに、純粋に将棋をするのが毎日楽しかったですね」。別に将棋以外のものに目もくれなかったわけではなかったが、彼女の生活の中には、将棋という存在が自然と大きくなっていった。そして気が付けば、周りに彼女と同等に対戦できるアマチュアの女性はいないほど、棋士としての実力が付いていた。

「別にプロになりたいという強い信念があったわけではなく、よりレベルの高い対戦相手と対局していきたいという、純粋な思いがありました」。小学校6年生の9月、女流プロ棋士の登龍門である、女流育成会の門を叩く。本人は意識していなかったと言いながらも、プロへの道を着実に歩み始めた。

「道場に通い始めたときは、あまり勝てなかった記憶があります」。小学生にしてアマチュアでは敵なし…そんな彼女でも、本格的に将棋を打ち始めたときから、連戦連勝とはいかなかったよう。もちろん、相手のほとんどが大人であり、彼女がいくらその歳の割に才能があったからといって、そうたやすく勝てるわけはない。そうした中、道場での初勝利。その一勝の事は、彼女は今でも鮮明に覚えている。「今考えると、そのおじさんはわざと勝たせてくれたんじゃないかなあと思うんです。でも、その一勝をすることで、将棋の面白さを改めて知り、より将棋にのめりこんでいったような気がします」。そのおじさんがいなければ、ひょっとしたら女流棋士・バンカナの存在はなかった…かも?