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2008年3月 4日 (火)

社会起業家も命がけだ(2)

昨年の12月に、社会起業家ってのも命がけだなあ、という記事を書きました。

リンク: Global Good News Blog: 社会起業家も命がけだ.

今回はその第二弾。
フェアトレードというのも命がけだという話です。

ネタ本はこちら。

リンク: Amazon.co.jp: フェアトレードの冒険 草の根グローバリズムが世界を変える: ニコ・ローツェン/フランツ・ヴァン・デル・ホフ,永田 千奈: 本.

オランダから生まれたフェアトレード認証ラベル「マックスハベラー」を創設した神父と若者の奮闘記ですが、フェアトレードなんて、理念は立派ですが、現実には国際的な食料会社とか、生産国のマフィアみたいな流通業者の利権を侵すわけですから、その妨害も半端じゃありません。

創設者の一人、フランツ・フォン・デル・ホフは神父としてメキシコに赴任。そこで見た現地農民の惨状に憤慨して、フェアトレード事業を始めます。

それまで、現地の流通業者に搾取されていた農民を組織して事業を始めたのはいいのですが、業者の嫌がらせが半端ではありません。

フェアトレード団体結成記念パーティーの会場が機関銃で銃撃されたり、山路から重砲で撃たれたり。何人もの村の代表が殺されたりする。

わたしはすでに三十七人、仲間を失っている。殺された者だけではなく、脅迫に耐えかね自殺した者もいる。

三十七人ですか・・・

ヨーロッパ企業の妨害工作も半端ではありません。

彼らはコーヒー豆から始めて、紅茶、ハチミツ、衣料品など取扱品目を増やしてくのだが、バナナのフェアトレードを始めた頃。

バナナを積んだ貨物船が、輸送途中の税関で、不可解な理由で止められることが頻発して、おかしいなと思っていたところで、

バナナ輸送の貨物船のスクリューが破壊された。

貨物船はカリブ海を二日間も漂流した後、他の船に曳航されて近くの港に入り、積み荷のバナナはその場で降ろされ、損を覚悟で叩きうるしかなかった、という事件が起きたわけです。

こんなことが続けば、海運会社も彼らとの取り引きをストップします。
彼らのバナナを売る約束をしていた、ヨーロッパの流通会社も取り引きキャンセルです。商品が入ってこないわけですから。

フェアトレードって、理念だけ聞いてると、とっても美しいのですが、現実は凄まじいですね。

アジアの国で、少女売春に関わっているNGOも、現地ギャング団に狙われて、命がけで活動してますしね。

そういえば、僕の奥さんも社会起業家の端くれなんですが、マジで脅迫されたりしましたからねえ。
幸い、犯人は逮捕されて有罪判決となりましたが、これも日本でチマチマやってるからこれくらいで済んだのでしょうねえ。

海外ではこうはいかない。なにしろ、警察とグルになって嫌がらせもしてきます。
事実、この本の著者も、フェアトレード始めましたというだけで、メキシコの村の警察に逮捕されて、留置場にぶち込まれています。

国際的な社会起業家を目指している人は、こういうリスクも考えておいたほうがいいでしょう。

僕も、高額の生命保険に入ることを検討中です。(竹井)


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