ソニーの社会責任
ソニーがなんでダメになったのか? という本を読みました。
ソニー出身のコンサルタントが書いた本です。
リンク: 「ソニーをダメにした「普通」という病:」横田 宏信著.
内側と外側から見た、ソニー凋落最大の原因「普通病」。というわけで、企業論、組織論として読み始めたわけですが、意外や意外、企業の社会貢献論でもありました。
著者は語ります。
本来ソニーでは「会社のため」に働くなんてあり得ない。
では、何のために働くのか?
もちろん、今どきの自分探しの若者のように、(大人もそうだが)
「自分のため」ではありません。
「社会のため」に働く。
それが本来のソニー流だと言う。
それこそが、働く個人にとっての社会的な自己実現の道であり、この上なく楽しいものである。
このブログの読者であれば、著者のこの言葉に何の説明も不要だと思います。
ソニーという会社は、CSRの観点から見ると、ちょっと分かりにくい会社でした。
松下電器のような「水道哲学」みたいな分かりやすいコンセプト・ワードもないし、幸之助さんのような泥臭いけど日本人の情に訴えかけるようなエピソードも無い。
客観的に見ても、女性の社会的進出に貢献した白もの家電と違って、AV機器はその社会的意義が分かりにくいものです。
どうもソニーという会社は、端から見ていると、社員から役員まで、みんなテレコやビデオカメラを弄くって遊んでるだけというイメージがあって、それがソニーのかっこよさでもあったのですが、その背景にはこんな哲学があったとは。
やっぱりソニーってカッコ良かったんですね。
まあ、盛田さんも日本経済のために、ものすごい貢献をしていますが、その話はまたの機会に。
この本からもうひとつ、引用します。
学校教育の第一の目的も、「社会のため」に働くことに楽しみを見出す個人の育成であるべきなのだが、今の日本の教育現場の実態は、そこからあまりにも遠いところにきてしまった。この点、家庭教育も同様だろう。 我々は、自分たちからも、そして大切な子どもたちからも、社会人としての人生を楽しむ能力を奪い去っていやしまいか?
どうです?
この本、読みたくなったでしょう? (^^;)
| 固定リンク
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/224259/40226356
この記事へのトラックバック一覧です: ソニーの社会責任:
コメント