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2008年2月14日 (木)

マーケティングを勉強しよう

新商品や新規事業について相談されるのは、それが仕事なのですが、最近は社会起業家になりたいとか、社会を変える事業をやりたいという人から相談を受けることが多くなっています。
こういう相談は無料で引き受けちゃうのですが、マーケティングの基本を勉強しておいた方が、説得力ある企画になるのになあと思うことも多いです。
もちろん、世の中にはマーケティングのことなど何も知らなくても、商売繁盛、ビジネスで成功する人もいます。
でも、これから事業を始めようと思う人は、マーケティングの基本くらいは勉強しておいて損はないと思います。
というわけで、基本中の基本をお伝えしておきます。

さて、書店に行けばマーケティングに関する本はいろいろあります。
みなさん、勝手なことばかり言っていて、それなり役に立つ本も多いのですが、勉強は何でも基本が大事です。

で、僕がお勧めする、基本中の基本書がこちらです。

リンク: Amazon.co.jp: 改訂 シンプルマーケティング: 本: 森 行生.

書名の通り、この本で解説されている理屈はとってもシンプルです。
学生だって一度読めば分かるだろうというくらいシンプルです。
しかも、「クープマンの目標値」だとか「ランチェスター」だとか、「イノベータ理論」だとか、いまとなってはほとんど古典と思える話が出てきます。

しかし、古典的理論というのは、どうとでも応用が利くもので、その意味ではけっして色あせるものではありません。

これに比べれば、流行のマーケティング論など、単なる応用編。マーケティング屋のメシの種でしかありません。

これからマーケティングを勉強しようと考える人は、まずこの本で基本を学んで欲しいと思います。

実は、著書の森行生さんという人は僕の師匠でして、学生の頃からいろいろ勉強させてもらいました。だからというわけではないのですが、森さんから仕込まれた基本技の応用だけで、20年以上もメシを食えたわけで、というか、森さん自身もメシを食ってるわけですから、この本のご利益は実証済みであります。

それら、古典かつ基本理論の中でも、特に知っておいて欲しいのがDCCM理論というものです。

DCCM理論というは、

商品コンセプト開発や、広告メッセージを開発するにあたって考慮しなければならない基本価値基準である。 (本文より)

なのですが、
企画の素人さんが考えるビジネス・プランで、特に抜け落ちている部分がこれだからです。

簡単にまとめると、

  • 差別性(Differentating) =その商品が持っている他商品との違い。
  • 優位性(Competitive)=(他商品と違う、同じにかかわらず)「他商品より良い」、あるいは「他商品より有用な」ところ。
  • 説得性(Convincing)=(差別性、優位性をサポートする)客観的で説得力のある事実やイメージ。
  • 市場性(Marketability)=(前記三点を備えて市場に投入したときの)生活者の受け入れ状況。
    (本文より)

以上四点をチェックする。

ほとんどこれだけなんですけどね。DCCM理論と言っても。
シンプルでしょ?

でも、何かの企画書を書くときに、この四点をちゃんとチェックして反映させるだけで、説得力がグンと違ってきます。

逆に言うと、この四つの視点が無いと、単なる思いつきの企画に見えてしまいます。

というわけで、ビジネス初心者の若い人には、ぜひ読んで欲しい本なのですが、経験豊富なビジネスマンにもお勧めです。

それは、常に基本に返ることの大切さという意味もありますが、特に最終章で解説している「レーダー理論とポジショニング」の部分は、実際のビジネス・プランイングの現場において、いまだに最も実践的なノウハウだと思うからです。

興味を持った人はぜひ勉強してみてください。(竹井)

リンク: Amazon.co.jp: 改訂 シンプルマーケティング: 本: 森 行生.

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