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2008年2月11日 (月)

スリランカのこと

2月の初旬に、スリランカ政府がLTTEとの休戦合意の破棄を宣言した。このニュースが流れて以来、いろんな人から「大丈夫?」とのメールを頂いた。スリランカの友人達からも、いろいろな消息を頂いた現在、そろそろここでもスリランカの現状について、書いておくべきだろう。

実際のところ、去年の秋頃から、スリランカ政府がLTTEとの休戦合意を破棄するかもしれないとのニュースは、様々なところからもらってはいた。しかし、そのニュースを届けてくれる友人達も、もらう自分も、そんなに注目はしていなかった。何故なら、休戦合意そのものが、絵に描いた餅であることは、当初からわかりきっていたからだし、住民の生活には、あまり影響の無い事柄でもあったからだ。テロの報道があったり、戦火が拡大するのではという懸念も散見されたが、元々そのような危険に脅かされている地域は、2002年に休戦合意が結ばれたからといって、安全になったわけではない。休戦合意以前に危険であった地域は、その後も何の変わりも無く危険であり、さほど危険でない地域は、今でもさほど危険ではない。休戦合意の破棄宣言は、2002年以前も以降も、実は何も変わっていなかったという事実を、政府が認めたと解釈すべきだろう。

2月初旬の休戦合意破棄のニュースを受けたとき、私の唯一の懸念も実はその点にあった。単なる現実受諾としての破棄宣言なのか、それともむしろ事態悪化を受けての破棄宣言なのか。結局は前者であり、私の友人達もビジネスパートナー達も、相変わらずいつもと変わらぬ日常を過ごしているとのこと。ひとまず、安心である。

それにしても、インド洋の小さな島国とはいえ、ここのところ、相当忙しく動いている印象を受ける。国連CDMと政府ODAを活用したCO2排出権ビジネススキームのスリランカでの活用が正式承認を受けたとのニュースに、関係者と喜んでいた矢先の破棄宣言のニュース。予想はしていたとはいえ、実は大した影響も無いとの情報に、ひとまず胸をなでおろす。LTTE事情にも相当詳しいセワランカネットワークや、ODAプロジェクト時代のコネクションが、今となっては本当にありがたく感じる。

内戦にもかかわらずの高成長とインドを含めた周辺地域におけるビジネス事情、そしてスリランカでも相当大きな需要が見込まれている環境ビジネスの動向・・・政府-LTTE軸を中心に、関係機関や団体間での利益獲得を視野に置いた権益闘争が或いは熾烈化する可能性は高い。政府もLTTEも、戦火の拡大の方向へ動いた場合の損失の大きさについては、熟知しているようであるから、みすみすのビジネスチャンスを逃すような馬鹿なことはしないであろうとは思うが、100%安全であると断言できる現状ではないことは確かだ。いずれにしても、今年は去年以上に、何度もスリランカを訪問することになるはずである。早く自身の目で、現状を確かめたいものである。もし近いうちに訪問が可能であれば、今回はLTTEの幹部に会ってきてやろうとも考え始めている。やっぱり、自分の目で確こと以上に越したことはない。・・・なんだか、古くて懐かしい血が騒ぎ始めているようだ^^;。

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