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2008年2月10日 (日)

戦争映画の見方が変わった

夜、自宅に戻ってテレビをつけたらUボートの映画(U-571)をやっていて、ついつい最後まで見てしまいました。僕、戦争映画ってけっこう好きなんですよ。父親が海軍上がりの船乗りだったせいか、特に海戦ものが好きなんですが、今までとは戦争映画の見え方が違ってきたことに気づきました。

この「U-571」は、Uボートの話なので第二次世界大戦中の話ですが、アメリカ海軍の兵士がドイツのから暗号解読器エニグマを奪うという話です。

リンク: あらすじ U—571 - goo 映画.

敵Uボートに乗り込み、首尾よくエニグマを奪ったのはいいが、自分達の潜水艦を撃沈されてしまい、しょうがないので乗り込んだUボートを奪って逃げるのですが、おかげで連合国側からもドイツ側からも攻撃されてしまうというお話。

最後は、ドイツの駆逐艦との戦いになり、船長の奇策により見事、駆逐艦を沈めるのですが、自分達が乗っているUボートも損傷が激しく、こちらも沈んでしまいます。

二隻の船が沈んでいくシーンを見て僕が思ったのは、

「やっぱり戦争って、環境に悪いよな」

ってことであります。

駆逐艦対潜水艦の戦いですから、ものすごい数の爆雷が投下されて海中で爆発しますし、沈んだ艦からは大量の化石燃料が海に流出しますし、沈没した船は放ったらかしですから、環境に良いわけがありません。

これが艦隊同士の戦いになれば、どれほどの海洋汚染になるのか。

それに、戦闘中の戦艦や戦闘機、潜水艦などは急発進・急加速を繰り返したり、全力で走行したりしてエンジンをぶん回しますから、温暖化ガスの排出量も半端じゃありません。もともと戦争で使う乗り物なんて燃費が極端に悪いですしね。

さらに言えば、今どきの空母や潜水艦は原子力で動いてますから、こんなものが撃沈でもされたら、どんなにヒドイ放射能汚染が拡がるか。そんなことを考えると、夜も眠れません。

エコの視点から見ても、戦争は良くないですね。

ベトナム戦争時の枯れ葉剤とか、湾岸戦争の時の劣化ウラン弾とか、戦争が環境にもの凄い悪影響を与えることは、知識としては知っていて、ドキュメンタリー番組を見ていて、戦争は環境的にも良くないなあと感じることはあっても、戦争映画を見ていて環境問題に想いを馳せるなんてことは今まで無かったことです。時代の流れを感じました。

という話で、たいした洞察もなくてすみません(汗)

余談ですが、goo映画のあらすじページでは、この映画、Uボートが「巡洋艦から激しい攻撃を受ける」となってますが、これは駆逐艦とすべきだと思います。

潜水艦の当時の天敵は駆逐艦でして、この映画でも駆逐艦と戦うからこそ主人公たちの緊張感、危機感に説得力が生まれるわけです。

潜水艦退治に特化した駆逐艦と遭遇したからこそ「かなりヤバい」という状況が生まれるわけですし、逆に潜水艦1隻でも駆逐艦相手なら撃破できる可能性があるからこそ、「やっつけてやれ」という気にもなるのです。そこに緊張感ある戦いのシーンが生まれます。

これが、相手が大和みたいな戦艦なら、1隻の潜水艦がこれを沈めるのは無理ですから、遭遇したって戦う気にもならなくて、全力で逃げることしか考えないでしょう。(もっとも、戦艦が単独でその辺りをウロウロしているはずもありませんから、戦いたくてもまず、お付の駆逐艦や潜水艦と一戦交える必要がありますが)

そんなわけで、映画を見る前に「巡洋艦から攻撃を受ける」などと言われると、見る側の緊張感も少し萎えてしまいます。「なんで巡洋艦が潜水艦を追い回してるんだ?」とか「(巡洋艦護衛の)駆逐艦は何してるんだ? 遊んでるのか?」とか、余計な事ばかり考えてしまいます。

それが、「駆逐艦から攻撃される」となれば、「そりゃ、たいへんだ! Uボートはどうやってその危機から逃れるんだ? 見なきゃ」という気になります。

細かいようですが、言葉ひとつで客の入りも変わってくるかもしれない、ということですね。(竹井)

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