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2008年2月 2日 (土)

NPOの広告ビジネス

NPOは非営利団体ですが、もちろん金儲けをしてはいけないわけではありません。
それどころか、規模の大小を問わず、ミッション遂行のためには資金が必用ですから、どこのNPOも金集めに必死です。
ところが、海外の大手NPOでさえ、ファンドレイジングの手段といえば、ほとんどが企業や個人からの寄付集めのようです。ファンドレイジング・パーティーを一生懸命やって資金を集めるとか。
そこで、NPOの資金集めの新しい方法を勝手に考えてみました。

それは何かというとズバリ、広告ビジネスであります。

ってなことを言うと、このブログの読者であれば、
「それって、コーズ・マーケティングのことじゃん!?」
とツッコミがはいりそうですが、ハイ、まったくそのとおりです。

これを日本でももっと大きく広げようよという提案でもあります。
コーズ・マーケティングは、日本でもレッド・キャンペーンやピンクリボン・キャンペーンなどが有名ですが、もっといろいろな方法論が考えられると思います。

たとえば、NPOが大手ポータルサイトにバナー広告を出せば、知名度も上がるし、活動の内容も知ってもらえるし、結果として寄附も集まりやすいことは誰でも分かりますが、多額の広告料が必用となるので分かっていてもできません。それで、企業が協賛広告を出す。

たとえば、セーブ・ザ・チルドレンのバナー広告をYahoo!などのポータルサイトに出す。そのバナー広告には「sponsored by ファミリーマート」というクレジットも入っている。

で、バナー広告をクリックしてセーブ・ザ・チルドレンのウェブサイトに行ってみると、そこにはファミリーマートのバナー広告が出ている、とか。

この場合、ファミマは両方のバナー広告代をスポンサードする。セーブ・ザ・チルドレンは、タダで大きな広告を打てて、さらに自分のウェブサイトの広告料も入ってくるというわけです。

まあ、そんな感じです。

ネットだけでなく、たとえば、雑誌や新聞だとタイアップ広告扱いでNPOの活動を紹介する特集を組む。テレビの特番もありです。それを企業が提供する。

大手NPOは、広報予算もけっこう使ってますから、そこを企業が支援すると、広報予算を事業に回せることにもなります。

この場合の大きなメリットは、企業が出すのは寄附金ではなく広告費なので損金算入できるということですね。もう企業は、税制を言い訳には出来ません。

他にも、スポーツ・ビジネスと同じような、ユニフォームを広告スペースにする方法があります。現場で活動するスタッフにユニフォームを着用させて、そこに企業ロゴなどを入れる。

この場合は、それだけでは広告効果は低いので、他の方法を組み合わせる必用がありますが、NPOとしては資金源がまたひとつ、増えるわけです。

コーズマーケティングは企業の収益を伸ばします。
参照)
リンク: ピンク一色に染まる米国企業のなぜ (NBニュース):NBonline(日経ビジネス オンライン).

海外の雑誌を見ていると、一流と言われる雑誌ほどCSR広告が多いことに気づきます。日本でも、コーズマーケティングを含めた、ソーシャル・マーケティングの重要性が増してきますから、NPOと連携した方法論をもっと考える時期に来ていると思われます。(竹井)


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