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大学論・科学論・技術論・他


 いつの時代にあっても「曲り角論」は必ず唱えられているものです。しかし、国立大学が一斉に、否応なく独立法人化させられた2004年4月は、日本の高等教育と科学・技術の研究・応用およびその社会への還元をどのように構築し直すかが真剣に問われなければならない時点です。このように重大な転換点は、第二次世界大戦敗戦時以来59年ぶりのことでしょう。

   そしてまたこの月、戦乱状態のイラクで、5人(2件)の日本人が拘束されるという「事件」が起きました。結局この5人は無事日本へ戻ってきましたから、最悪の事態は避けられたわけです。
 不幸の種は日本国内に潜んでいました。恥知らずにも、「自己責任論」なる驚くべき主張が声高にわめき散らされ、5人の生死すらつまびらかではないうちから、脅迫まがいの嫌がらせがその家族に襲いかかったのです。この事件は、政治家の質の低さと、日本人の民度の劣悪さを、はからずも露呈させることになりました。救いは、オピニオンリーダーと目されるニュースキャスターの殆どが一斉に政府・与党の対応を非難し、民衆の中からも、街頭に出て非難の意志を表明した人々が存在したことです。遅ればせながらマスコミも、海外の「知性」がいかに日本の対応に呆れ返っているかを報道して、「非常識な日本」の姿を指摘しました。
 意見を表明するのに「匿名性」は必要な場合があります。とりわけ、力を持たない一般市民が権力者を批判するためには、「匿名」が保証されなければなりません。逆に、非力な市民に対しては、匿名の陰に隠れてあれこれ言挙げするのは卑劣な蛮行と言うべきものです。ましてや、一部のマスコミが家族の住所や電話番号を報道し、電話やファクシミリを使って暴力団さながらの嫌がらせがなされるに至っては、言語道断と言うほかありません。

   いろいろな意味で、大きな転換点に差しかかっていることは、疑いのないところでしょう。後世、「あの時が日本の(あるいは世界の)運命を変えたのだ」といわれる時代を、我々は生きているのだと覚悟しなければならないように思われます。
 このサイトでは、教育論・科学論・技術論とそれにまつわる論議を中心に、時事問題も交えて、草の根論議として必要と思われる話題を拾い上げながら、私見を展開する予定です。

 
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