「真実伝えて」高1切実/「集団自決」大阪で座談会
【大阪で西江昭吾】中学の授業で沖縄戦を学んだ大阪府内の高校一年生らが恩師とともに集まり、「集団自決(強制集団死)」をめぐり問題となった教科書検定や米兵暴行事件などについて語り合う座談会が十六日、吹田市の公民館であった。四月から日本史の新教科書を使うことになる生徒らは「極限状態で起きた事実をなかったとしてはいけない」と胸の内を語った。
「授業で使う教科書が沖縄戦についてあいまいだと、習う側が分からなくなる」と指摘したのは柿ケ原さん。薮下愛さんも「周りは地上戦があったことは知っているけど、実態までは知らない。発表の機会があれば習ったことを伝えたい」と思いを語った。末也 依然後を絶たない米兵の事件・事故について三宅充啓君は、沖縄と本土も憤りの温度差があるとし、「なかなかできない意識の改革には日本の法律を守らせるよう日米地位協定を変えてほしい」と話した。
二十八日の判決が迫った「集団自決」訴訟について、玉置晋太郎君は「軍の命令はなかった、と言う人もいるが、手榴弾を渡された事実があり(証言の根拠としても)強いのではと思う」と感想。中島拓哉君は「悲惨な出来事を今後もあやふやに伝えたくない」と決意を述べた。
生徒らは二〇〇六年四月から一年間、同市内の西山田中学で平井美津子教諭らから指導を受けた。修学旅行の時、事前に沖縄の歴史を十六時間学習。県内でも壕や基地を巡った。