【社説】ウォン独歩安、1ドル=1000ウォン時代突入か
1ドル当たり997ウォンまで急激にウォン安が進み、1000ウォン台への突入が目前に迫っている。昨年11月2日には一時900ウォンラインを突破したほどウォン高が続いていたが、わずか4カ月で100ウォン近くも値を下げたことになる。円に対してはさらにペースが早く、わずか2週間で100円当たり115ウォンも一気にウォン安が進んだ。
サブプライム問題以降、米国経済に対する不安が高まっていることから、世界的なドル安が続いている。国際金融市場において投資家たちはドルを売り、代わりに金などの安全な資産に乗り換えているからだ。ドル安の影響で各国の通貨も一斉に高値をつけており、円12.6%、ユーロ7.6%、人民元2.8%、シンガポール・ドル4.4%、台湾ドルは5.7%も高くなった。一方ウォンだけは4.9%も安くなった。世界の外為市場でドル安が続く中、ソウルの外為市場だけは正反対の現象が起こっているのだ。
これはサブプライム問題で大きな損失を出した米国の金融機関が、資金を確保するために韓国株に投資していた資金を引き上げ、また外国人株主に対する配当の原資としてドルの需要が高まっているからだと言われている。また昨年12月から3カ月連続で続いている貿易収支赤字も、ウォン安を後押しする要因とされている。通貨間の需給不均衡が起こっているということだ。
とはいっても米国の金融機関が韓国株だけを売りに出しているわけではなく、国際原油相場の不安や原材料・穀物価格の急騰による衝撃は韓国だけが受けているわけでもないことから、ウォンの独歩安は異常な事態だと言わざるを得ない。ウォンだけがこのように外からの衝撃に異常に敏感に反応するのは、根本的には韓国経済の基礎体力が非常に弱いことに起因するのではないかと冷静に振り返る必要がある。
ウォン安になれば輸出に有利となり、海外旅行や留学費用も減ってサービス収支が改善するという効果がある。しかし原材料の輸入価格がさらに高騰し、ただでさえ不安な国内の物価もさらに上昇する上に、外国人投資家の韓国離れで証券市場が混乱に陥る可能性もある。とりわけ最近のように非常に短期間にウォン安が急激に進めば、為替差損などの副作用もより大きくなる。韓国政府は直接市場に介入しないとしても、経済の安定にとってマイナスとなる為替の急激な変動に対しては、ブレーキをかけるための適切な方法を模索すべきだろう。
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