◇「被害者のため尽力」
◇患者「治療費補助相談したい」
今年1月に薬害C型肝炎被害者救済法が成立したことを受け、薬害肝炎奈良弁護団(団長・相良博美弁護士)は15日、薬害肝炎訴訟に関する説明相談会を、奈良市登大路町の県中小企業会館で開き、約120人が参加した。相良団長は「法施行後、奈良弁護士会への相談が大幅に増えた。奈良の被害者のために尽力したい」と意気込みを語った。
相談会では、大阪弁護団の松井俊輔弁護士が、輸血や一部の血液製剤による感染は給付金の支給対象にならないことや、遺族でも給付金を請求できることなどを説明した。また「カルテなどで血液製剤の投与の事実や症状を立証し、裁判所に認定してもらう必要がある」と話すと、参加者らは真剣な表情で話を聞いていた。その後、弁護士らが個別相談に応じた。
1980年に子宮外妊娠で血液製剤の投与と輸血を受けた生駒市の無職女性(59)は「7年前にC型肝炎だと診断されたが、病院の閉鎖で子宮外妊娠の際のカルテが残っておらず、投与の証明が難しい。治療費の補助が出ればと思うので、これからは弁護士に相談したい」と話した。
奈良弁護団は、県内の薬害肝炎患者救済のため、奈良弁護士会の弁護士ら約20人が今月3日に結成。今後は県内被害者の実態を把握し、救済法の対象者がいた場合は提訴を検討する。問い合わせは奈良合同法律事務所(0742・26・2457)。【石田奈津子】
毎日新聞 2008年3月16日