昨年末、忘年会帰りの飲酒運転の車にはねられ、46歳で命を落とした福岡県久留米市の造形作家、寺田太郎さんの遺作展「太郎の方舟(はこぶね)」が20日から、吉野ケ里町松隈のAMP(アンプ)ギャラリーで開かれる。企画した実弟でデザイナーの瀬下黄太さん(42)は「作品は兄の生きた証明。飲酒運転の撲滅について考えてほしい」と話している。

 寺田さんは昨年12月15日未明、徒歩で帰宅中に、自宅近くではねられた。道交法違反(酒気帯び)などの罪に問われた被告の男には14日、福岡地裁久留米支部で、懲役2年の実刑判決が言い渡された。

 遺作展には、さまざまな金属片を溶接して組み立てた長さ約5メートルの「方舟」のほか、高さ1.8メートルの鉄板からフクロウが飛び立つように配置された「楽園」など、100点以上の作品が展示される。

 ギャラリーは寺田さん、瀬下さんと鋳金作家の藤瀬大喜さん(26)と3人で、製茶工場だった建物を改装して、昨年7月にオープンさせた。今回は寺田さんが汗を流していた作業場も公開する。

 遺作展は4月20日まで。入場無料。開館は午前11時‐午後6時。同ギャラリー=0952(20)1482。

=2008/03/17付 西日本新聞朝刊=