企画「ネット汚染―迷走する子どもたち」は、第二部「甘い罠(わな)」で出会い系サイトの問題を取り上げました。
「十八歳未満は利用禁止」と規定しても、実情はご存じの通り。援助交際経験のある高校生、児童買春を繰り返すサラリーマン、サイトの元運営業者らに接触しましたが、互いに素性や思惑を隠した「出会いの場」は危険性をはらんでいます。
取材班にとって、事例探しは毎回難航します。しかし、「ネット汚染」の現状を訴えるには、また聞きでは説得力がありません。援助交際の理由にしても、家庭環境のひずみなど満たされない何かが潜んでいることが分かりました。
こうした中、ある母親から<今回の記事は、私の「知る」という第一歩です>と、メールを頂きました。岡山県教委は小中高生や保護者を対象に出会い系へのアクセスの有無などを把握するため、アンケートを始めました。設問の意味がよく理解できなかったと言うこの母親は、<分からない、知らない、怖いではいけないと痛感しました>と、これからネット問題に向き合う大人社会の姿勢を代弁してくれています。
ネットの功罪として、感情表現が苦手で、現実逃避しがちな子どもが増えていることは見過ごせません。第三部は、引きこもりや不登校に陥ったケース、精神科医らサポートする側の取り組みなどを紹介する予定です。
具体的な事例があれば、ネット汚染取材班(ファクス086―244―4923、電子メールshakai@sanyo.oni.co.jp)にご連絡ください。