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【社会】

四川省で8人射殺か チベット暴動拡大 ラサの死者『80人』に

2008年3月17日 07時10分

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 【北京=新貝憲弘】AP通信などによると、中国チベット自治区で起きた大規模暴動は、周辺地域に飛び火し、四川省北部のチベット民族自治州で十六日、住民約二百人が火炎瓶を投げて警察署に放火、当局側との衝突で少なくとも八人が武装警察に射殺されたという。インドに活動拠点を置く非政府組織「チベット人権民主化センター」の話として伝えた。

 抗議に参加した住民たちは、警察車両や消防車にも火を付けた。投石で数人の武装警察官がけがをした。地元警察当局者は女性二人を含む住民五人を拘束したという。

 同州内の僧院では同日朝、数千人の僧侶が中国政府に掲揚を禁止されているチベットの旗を掲げ「チベット独立」のスローガンを叫んだ。抗議デモは甘粛、青海両省などのチベット民族居住地区でも起きている。

 また、北京のチベット関係者によると、中国警察当局は同自治区ラサでの暴動のリーダー役となったチベット人を特定するため、住民らの家宅捜索や厳しい取り締まりに乗り出しているという。

■ダライ・ラマ14世武力制圧を批判

 【バンコク=大場司】中国チベット自治区ラサでの大規模暴動について、チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ十四世は十六日、亡命政府が拠点を置くインド北部ダラムサラで記者会見し、「チベットの治安を維持するために武力に頼っている」と中国政府を批判、国際社会に暴動鎮圧の真相究明を呼び掛けた。

 亡命政府の報道官は同日、暴動で少なくとも五人の少女を含む八十人の遺体が確認され、負傷者が七十二人に上ったことを明らかにした。

 AFP通信などによると、暴動後初めて会見したダライ・ラマは「チベット人は第二階級として扱われ、文化遺産が危機に直面している」と中国政府を批判。「チベットで虐殺が起きているかどうかを調べてほしい」と国際機関による真相究明を要請した。

 中国政府はダライ・ラマ支持勢力が暴動を引き起こしたとしているが、ダライ・ラマは「私には抗議行動を止めさせるような力はない」と述べた。

 チベット独立を支援する団体が北京五輪反対のデモを展開しているが、ダライ・ラマは「中国は五輪のホスト国に値する国だ」と五輪開催に支持を表明。ただ、「良い開催国になることを忘れてはならない」とした。

(東京新聞)

 

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