◇優しい心でみんなつながれますように--川崎
いじめや暴力を苦に自ら命を絶った全国各地の子供たち18人の写真や似顔絵を展示した「ジェントルハートメッセージ展」が20日、川崎市川崎区のアートガーデン川崎で始まった。主催するNPO法人「ジェントルハートプロジェクト」(川崎市)の小森美登里理事(51)は「優しい心でみんながつながる社会のために、全世代の人に見てもらいたい」と呼びかけている。
子供たちの笑顔の写真や、母親が子に寄せる思い出の言葉をパネルで紹介している。生前に書き残した直筆の作文や文集、「暴力よりも悲惨だった」など悲痛な叫びを書きつづった遺書もある。
小森さんは98年7月、長女香澄さん(当時15歳)をいじめを苦にした自殺でなくした。広く教育の場でいじめをなくす講演活動をするため、03年3月に夫新一郎さんとNPOを設立。「とにかく、いじめの問題を世の中の人に知ってもらいたい一心だった」
同様のいじめなどで子供を亡くした遺族や、講演を聞いて賛同した人々が次第に入会。現在会員は約300人を数え、小森さんら理事が連日、日本各地で命の尊さを訴え続けている。小森さんは「大人の職場、家族にも、いじめの影はある。自殺する人は、決して弱者や特別だからではないことを知ってもらいたい」と訴える。
展示は24日まで。入場無料。来月19~24日はそごう横浜店で開く。4月5日には、ミューザ川崎でハートフルコンサートを開く。【中島和哉】
毎日新聞 2008年2月21日