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「4月パニック」カウントダウン 民主の「時限爆弾」法案 (1/3ページ)
揮発油(ガソリン)税の暫定税率をめぐる与野党攻防は、民主党が勝利を収めそうだ。民主党の思惑通りに4月1日午前0時からガソリンが1リットルあたり25・1円下がる「4月パニック」の到来はカウントダウンに入った。民主党の勝利を確実にしたのは、2月末の平成20年度予算案の衆院通過をめぐる攻防の最中、ひそかに埋め込んだ「時限爆弾」とも言える法案だ。その法案の正体は? 追い込まれた福田康夫首相に起死回生の策はあるのか−。(石橋文登)
「民主党の主張は(ガソリン税の)暫定税率の廃止だ。暫定税率をやめるというなら(修正案に)賛成するよ」
政府・与党が揮発油税の暫定税率維持を含む歳入関連法案(日切れ法案)の大幅修正を打ち出したことを受け、民主党の小沢一郎代表は15日、遊説先の熊本県益城町で余裕の笑みを浮かべた。事実上の勝利宣言だ。
民主党の「時限爆弾」とは、2月29日の予算案衆院通過をめぐる攻防の裏側で、日切れ法案の対案として参院に提出した「道路特定財源制度改革関連3法案」を指す。
この法案は、日切れ法案のうち揮発油税の暫定税率に関する部分だけを削り、廃止すれば「大パニック」を起こしかねないオフショア市場の利子非課税措置などは政府案をそのまま残した法案だ。もし参院がこの民主党提出法案を3月末に可決し、衆院に送付すれば、与党は4月1日からの「大パニック」を回避するため、可決せざるを得ない。「年度内に一定の結論」を得たことになり1月30日の衆参両院議長斡旋(あつせん)による与野党幹事長合意を守ったと、民主党は抗弁できる。
一方、これによって日切れ法案は事実上無効となる。揮発油税の暫定税率を元に戻すには、民主党が日切れ法案から削った部分の法案を国会に新たに提出するしかない。だが、参院が審議に応じる見通しは薄く、参院送付後60日間の「みなし否決」規定(憲法59条)に基づく衆院再議決による成立は5月末〜6月初旬となる。
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この作戦は、民主党のごく一部の議員らが1月下旬からひそかに進めてきた。党執行部でさえ作戦の全体像を聞いたのは対案提出直前だった。