【北京15日傍示文昭】中国チベット自治区ラサで起きた暴動で、中国国営の新華社通信は15日、同自治区当局者の話として「10人が死亡した」と報じた。同自治区公安庁は同日の市民向けの通知で「無実の市民が殺害された」と述べ、中国当局として死者が出たことを初めて認めた。一方、インド北部ダラムサラのチベット亡命政府は同日、未確認情報として死者が100人に達したとする声明を発表した。AFP通信が伝えた。
米政府系放送局「ラジオ自由アジア」も同日、目撃者の証言として「死者は80人かそれ以上の可能性がある」と伝えており、死者の数はさらに増えるとみられる。
新華社電によると、14日未明、チベット仏教の僧侶や市民らによる大規模なデモ鎮圧のため警官隊が威嚇発砲し、催涙弾を使用した。死者はホテル従業員2人、商店経営者2人など民間人10人。チベット自治区当局者は「いずれも焼死」と述べ、放火や略奪で市民が巻き添えになったとの見方を示した。
同当局者はまた、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世のグループが「破壊行為を計画し、背後から操った十分な証拠がある」と強調。北京にいる同自治区のシャンパプンツォク主席は15日、ラサで戒厳令が敷かれたとの情報を否定し「(暴動に)厳しく対処する」と表明した。
一方、チベット亡命政府によると、僧侶による抗議行動は10日、ラサの内外で平和的なデモとして始まったが、当局が多数の武装車両を投入、群衆への発砲を開始。一部の警察官は僧侶に変装してデモ隊の制圧に当たり、これがデモ隊をさらに挑発する格好となり警察車両の焼き打ちにつながったという。さらに、抗議行動はチベット全域に広がり、参加した人々はラサだけで1万‐2万人に上ったという。
AFP通信によると、亡命政府議会は15日、中国当局による人権侵害に対し、国連の即時介入と調査を求めた。
=2008/03/16付 西日本新聞朝刊=
米政府系放送局「ラジオ自由アジア」も同日、目撃者の証言として「死者は80人かそれ以上の可能性がある」と伝えており、死者の数はさらに増えるとみられる。
新華社電によると、14日未明、チベット仏教の僧侶や市民らによる大規模なデモ鎮圧のため警官隊が威嚇発砲し、催涙弾を使用した。死者はホテル従業員2人、商店経営者2人など民間人10人。チベット自治区当局者は「いずれも焼死」と述べ、放火や略奪で市民が巻き添えになったとの見方を示した。
同当局者はまた、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世のグループが「破壊行為を計画し、背後から操った十分な証拠がある」と強調。北京にいる同自治区のシャンパプンツォク主席は15日、ラサで戒厳令が敷かれたとの情報を否定し「(暴動に)厳しく対処する」と表明した。
一方、チベット亡命政府によると、僧侶による抗議行動は10日、ラサの内外で平和的なデモとして始まったが、当局が多数の武装車両を投入、群衆への発砲を開始。一部の警察官は僧侶に変装してデモ隊の制圧に当たり、これがデモ隊をさらに挑発する格好となり警察車両の焼き打ちにつながったという。さらに、抗議行動はチベット全域に広がり、参加した人々はラサだけで1万‐2万人に上ったという。
AFP通信によると、亡命政府議会は15日、中国当局による人権侵害に対し、国連の即時介入と調査を求めた。
=2008/03/16付 西日本新聞朝刊=