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県内最古か 馬の墓出土

2008年03月06日

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土壙墓から出土した馬具の轡

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馬の歯=いずれも大刀洗町で

 大刀洗町教育委員会は5日、同町本郷の本郷野開(ほん・ごう・の・びらき)遺跡で、5世紀後半から末ごろに埋葬されたとみられる馬の土壙墓(ど・こう・ぼ)が出土したと発表した。馬具が見つかっており、町教委は「馬の土壙墓としては県内最古と考えられる」としている。

 町教委によると、見つかった土壙墓は2基で、いずれも長さが2メートル前後、幅は1メートル余り。どちらからも馬の口に装着する轡(くつわ)や頭部に付ける辻金具が出土し、馬具の形状から埋葬された時代を推定したという。1基からは馬の歯も見つかった。

 馬を埋葬する風習は、須恵器や鍛冶(か・じ)などの生産技術とともに大陸から朝鮮半島を経由して日本に入ってきたという。県内では小郡市や筑紫野市などで馬の土壙墓31基が発見されているが、いずれも6世紀中ごろ以降のものとされている。

 馬の土壙墓は、被葬者のために殉死(生けにえに)させられた馬か、自然死した馬の墓と想定されている。町教委は、馬の歯と馬具の位置関係を詳しく調べたり、歯を鑑定して年齢を推定したりするなどして、埋葬された馬がどんな馬なのか検討することが今後の課題としている。

 町教委文化財係の西村智道さんは「小規模の墳墓群の中に馬の土壙墓があるため、馬の繁殖や流通などの実務集団が存在したと推測される。馬の生産や馬に関する技術の伝来を知る上で貴重な発見だ」と話している。

 8〜9日には同町の大刀洗ドリームセンターで、遺跡から出土した馬具や土器を一般公開する。

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