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【岐阜】

夜回り先生「命つなぐのは優しさ」 いじめ自殺あった瑞浪で講演

2008年2月20日

命の尊さや優しさの大切さを語る水谷さん=瑞浪市総合文化センターで

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 2006年10月に女子中学生のいじめ自殺があった瑞浪市で19日、「夜回り先生」で知られる水谷修さん(51)の講演会が開かれた。会場の市総合文化センターには、女子生徒が通った瑞浪中学校の全生徒約450人を含め保護者、市民ら計約800人が訪れ、耳を傾けた。

 ニ度と同じ悲劇を起こさないようにと、同校PTA(白木努会長)が主催した。約1時間半の講演で水谷さんは、いじめなどをきっかけに“夜の世界”に入り、シンナー中毒やエイズで命を落とした教え子らを例に「夜の世界に幸せはない。温かな昼の世界で育ってほしい」と強調。「命をつなぐのは優しさ。子どもは大人に求めて。大人は子どもに与えて。学校を、まちを優しさで満たして」と呼び掛けた。

 講演後、生徒会長の松浦優大君は「いじめが起きたり、悩みを1人で抱え込んだりしないよう、声を掛け合える雰囲気づくりをしようとあらためて思った」と話した。母親の1人(42)は「心が通じ合うためには、呼びかけや会話が必要。家庭の役割を考えさせられた」と感想を述べた。

 亡くなった女子生徒の父親(45)も出席し「子どもたちの心に響いたのではないか。大人が子どもを支え続ける姿勢は大切だと思う」と話した。

 同校は、思いやりの欠如が悲劇を生んだとの反省から、あいさつを通して笑顔や感謝の気持ちを大切にする運動に取り組んでいる。3月5日には2回目の「思いやり集会」を予定、講演会の感想も生かしたいとしている。

 (清水祐樹、志村彰太)

 

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