レースのカーテンの内側にいると、一日中あることが続く。
「へえ」
「そこに小さな札があるでしょう?」
「あっ」
「ここに住んでいたおばあさんが植えたらしいね」
道行く人の中で何人もが、私の部屋で立ち止まるのだ。
おばあさんのこともあれば、おじいさんのこともある。
若いカップルの時もあれば、女性一人の場合もある。
特殊なカーテンなので、外から中はまったく見えないから、向こうは自然、私の部屋を覗き込む具合になる。
最初は非常に戸惑った。
昨日、とても暖かいので、その庭に面した大きな掃き出し窓と隣家に面した窓を開け放しておいた。
風が抜け、いい具合だった。
若い男女の声がする。
「ねえこれ」
「不思議だねえ」
立ち止まってあの花を観察している二人。
私は悪戯心を起こした。
「変わってるでしょ?」
二人とも、手を取り合ったまま、垂直に20センチも飛び上がったように見えた。
私はレースのカーテンをかき分けて、ベランダへ出た。
「すみません」と詫びるカップル。
「いいんだよ」と私も木の柵に肘を乗せ、彼らと対面する。
「この花、変わってますね」
おばあさんのこともあれば、おじいさんのこともある。
若いカップルの時もあれば、女性一人の場合もある。
特殊なカーテンなので、外から中はまったく見えないから、向こうは自然、私の部屋を覗き込む具合になる。
最初は非常に戸惑った。
風が抜け、いい具合だった。
若い男女の声がする。
「ねえこれ」
「不思議だねえ」
立ち止まってあの花を観察している二人。
私は悪戯心を起こした。
「変わってるでしょ?」
二人とも、手を取り合ったまま、垂直に20センチも飛び上がったように見えた。
私はレースのカーテンをかき分けて、ベランダへ出た。
「すみません」と詫びるカップル。
「いいんだよ」と私も木の柵に肘を乗せ、彼らと対面する。
「この花、変わってますね」
「不思議だよね」
「なんていう花なんですか?」
「《みずまた》って言うらしい」「なんていう花なんですか?」
「へえ」
「そこに小さな札があるでしょう?」
「あっ」
「ここに住んでいたおばあさんが植えたらしいね」
「この木、葉っぱがないんですね」
「そうだね。不思議だね」
顎に髯をたくわえた優しそうな顔の彼氏は、私と彼女とのやりとりをニコニコしながら見ている。
「いつも通る道なんですけど、いつの間に……」
「ここ数日で、こんなに丸くなったんだよ」
「日当たりがちょうどいいですもんね」
「そうだね。不思議だね」
顎に髯をたくわえた優しそうな顔の彼氏は、私と彼女とのやりとりをニコニコしながら見ている。
「いつも通る道なんですけど、いつの間に……」
「ここ数日で、こんなに丸くなったんだよ」
「日当たりがちょうどいいですもんね」
ほのぼのとした情景が見えるようで、ステキな文章でした(´∀`)
「クリムゾン・ルーム」昨日ようやくすべて拝読させて頂きました。
近日中に、レビュー公開させて頂きますね。
私の拙い文章で、どこまで書けるかものすごくプレッシャーなのですが・・・(汗)
今日は暖かでお散歩日和。
こういう花をみつけられたら素敵だな。
でもわたしの夫くんはお買い物。
帰ってきたら、スーパー銭湯♪
うにゃー、「クリムゾン・ルーム」楽しみにしています。