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2006-03-29

[][]こんなんでも東大で教鞭取れるのか? 〜キチガイ先生 小谷野敦

 前のエントリはこれです。

 http://d.hatena.ne.jp/muffdiving/20060328/1143475973

 今回の検証資料:

 小谷野敦のあまりにひどい論争総括

 http://amakara.tea-nifty.com/amakara/2005/09/post_674d.html

 絶望書店日記:2002年9月

 http://home.interlink.or.jp/~5c33q4rw/nikki/2002_09.htm#25



 …なんか反響が大きいが。続きをはじめる前にちょっと連絡です。

 今回の大騒動の元になった日経BPの記事の件で、小谷野センセイが自らのブログで顛末を書いてます。


 猫を償うに猫をもってせよ:日経BPのホームページについて

 http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/20060328

 日付が25日に変わってすぐ、日経BPのホームページに私が出ている、と友人からメールがあった。心当たりがないので見てみたら、三年前に『日経アソシエ』のインタビューを受けたものである。事前に私の了解を得ずに掲載したのだから、当時のインタビュアーにすぐ連絡した。まあ私としては著書の紹介にもなっているから、別に怒っていたわけではない。するとそのインタビュアーも聞いていなかったとのことで、削除され調査が始まったそうだが、削除後「手続きに不備があり」などと曖昧な説明が載ったので、変な勘ぐりをしている者がいる。事前に私の了解をとらなかったということである。

 ・・・えーと。あの記事は3年前のだったのね。この件については確かに日経BPの方が非があります。 まあ、かといって言ってる内容は変わらないわけですが。


 で、小谷野センセイの件でいろいろ調べたら・・・出るわ出るわ。すごい有名人なのな。いろんな意味で。俺、知らなかったよ。まだまだ青いなと。

 そっちの方が面白そうですが、下手するとそのためだけにブログ1つ立ち上げそうな勢いになるんで、今回のネタが収束してから考えます。

 では、前回のエントリの続きといたします。


・Round5-素人に学術論文書けと迫る東大のセンセイ


 絶望書店氏と小谷野センセイとの論争は小谷野センセイのあまりの電波っぷりに話が脱線しかけるのを理性的に絶望書店氏が軌道修正するという繰り返しですが、この期に及んで、小谷野センセイ、さらに電波なことを言い出します。

 まあ、ラッパーのビーフでいえば 絶望書店氏−Eminem 、小谷野センセイ−Benzinoといった具合です。

小谷野敦氏よりさらに追伸 <9> 2002/11/26/19:09

絶望書店主人さま

「蛆虫以下の連中」には佐伯氏も入っているんでしょ?なのにその著書の絶版を惜しむなんて、支離滅裂。

「世事見聞録」についての戦前論文というの、著者、題名、掲載誌を教えてください。なおこれについて二種類の「国史大辞典」で見るといずれも「貴重な文献」と書いてありますが、ということは近年になってその信憑性を疑う論文が出たということでしょうか。だとしたらやはり著者、題名、掲載誌を教えてください。

ところで私の返信がウェブ上に載っていないようですが、続けて載せてください。それから、女郎平均寿命の件を活字にするには、あなたの名前をあげて謝辞とするのが礼儀ですので、まともな名前を教えてください。

小谷野敦

 おーい。こいつに教鞭取らせてる東大日文研も、こいつに他人に対する口の聞き方調教するか、首にした方が大学ブランドに傷が付かんと思うぞ。

 しかも立て続けにメール出して返事がねえときたもんだ。1日ぐらい待てねえのか?


 つーか小谷野よ、テメエの方が蛆虫以下の存在だよ。

 絶望書店氏もこういってるじゃねえか。

 当方を詰まらない業界内の党派に位置づけようとするのはまことに迷惑千万ですのでご容赦ください。そもそも小谷野様がそんなことに血道を挙げられて、いまだに佐伯順子氏にこだわるのが何故なのかがまったく判らないのですが。

 で、普通ならここまで諭されたらテメエの非を認めて謝罪するわけですが、このバカ、更に逆切れしてます。

小谷野敦氏より <11> 2002/11/27/13:02

絶望書店主人さま

2ちゃんねる批判」を今でも続けている、というのがどういう意味かわからないのですが、あなたにとっては何かを批判したら定期的に同じことを繰り返さなければ批判をやめたことになるのでしょうか。不可解です。

もし「世事見聞録」に疑問があるとおっしゃるなら、学術論文を書いてください。学問の世界では、論文を書かなければ何かを言ったことにはなりません

 テメエがやってることを簡単に説明するとさ、プロボクサーが一方的にアマチュアの一般人に殴りかかって、避けられたのを切れて殴りかかった一般人に、無理やりプロリングに上げて血祭りにしようとしてるのと一緒だよ。 そもそも、テメエの著書にしたって、学会論文じゃなく、一般書のフィールドで出してるわけだろ?で、それを読んだ一般人に突っ込み食らって切れて一般人に学会論文出せってか?

 なあ、テメエを飼ってる東大はこういうバカな真似を認める大学なのか?

 学問の世界でマスかいてるのが心地イイんだったら、一般書を出すのがそもそも間違いなわけだし。

売春させられるのとハンバーガー屋で働くのが一緒になるわけがないと言っているでしょう。

平均寿命の話は、浄閑寺の過去帳を調べて算出したものです。ですからあなたのおっしゃる通り、無事に年季を明けた女郎は入っていないのです。

 ・・・ホント、こいつを飼ってる東大とか日文研も人選見直した方がいい。

 偏ったデータ統計とってテメエに都合のいい解釈導き出すのはもはや学者とは言わないし。

 これに対する絶望書店氏の返答は以下。

 すげえウィットに富んでるけど、多分半分うんざりしてるんだろうな。

絶望書店主人より <14> 2002/11/27/16:46

小谷野敦 様

 お世話になっています。絶望書店でございます。早速の返信いただきありがとうございます。

 近頃は「惡質な筆者」やら「胡乱な者」やら当方のツボにはまる素敵な言葉をいろいろ頂戴できて嬉しい限りでございます絶望書店をやってきた甲斐もあったと悦んでおります。

 批判というのは相手が改めるまで継続的にするものと当方は勝手に想い込んでおりまして失礼いたしました。ただ、2ちゃんねるに書き込んでいる方々はもう批判されてないと想っているのではないかと存じますが。当方に向けられている情熱をまたぶつけてみられるのも一興かと。

 『世事見聞録』には売春を批判した部分もございます。しかし、当方が問題としているのは「酔っぱらいが無理を云うのをもっともと機嫌を取り、泥酔して吐いた客を介抱し、田舍者の髭のゴミも取り」などということを批判した部分でして、こんなのは売春関係はなく客商売なら当たり前のことです。これを遊女の悲惨というのはおかしいと云っているだけです。

 何度も申しますが、親の借金で遊郭に売られて売春されられるのは悲惨なことです。しかし、なんでもかんでも悲惨だと云うのはおかしいと当方は云っているだけなのです。小谷野様は遊女が悲惨だった根拠としてこの部分も提示されていたはずです。武陽隠士や小谷野様などの立派な方々には、客商売など卑しく悲惨なものなのでしょう。

 また、平均寿命などの事実でないことを持ち出して悲惨というのはおかしいと云っているだけです。事実であって、遊女特有の問題なら、それで悲惨というのは正しいことです。

 で、小谷野氏のメールに戻る。つーか支離滅裂。

 更に小谷野氏のメールは続きます。

業界内の党派争い」とはどういうことでしょう。いったい私の側にどんな人がいるというのでしょう。現代の言説によって史実が影響を受けるわけではないというのも理解しかねます。それなら歴史についてはいかなる出鱈目を言ってもいいということになるではありませんか。私は党派争いなどをしているのではなく、単にまともな学問をやってほしいと言っているだけです。

「妙な抑圧」とは何ですか。説明してください。

 で、絶望書店氏の返事は以下。すげえ皮肉に富んでて面白すぎる。

 いままでのメールを読み返していただければ判りますが、小谷野様は当方がそれほど興味もない佐伯順子氏や田中優子氏の名前を掲げて、こっちはどうなんだとたびたび迫ってきておられます。てっきり党派争いに当方を巻き込むのかと想い込んでしまいましたが、そうではなくまともな学問をやろうとされているだけなら他人のことは気になさらずにひとりで立派なお仕事を続けて行かれればよろしいことかと存じます。

 田中優子氏が現代のポルノを良いと想うか悪いと想うかで、江戸時代性交が聖なるものになったりならなかったりするという理屈は当方にはどうも理解いたしかねますが、まあ、そんなことは気になさらずに。

 小谷野様が佐伯順子氏のことを深く愛されていることだけはよく判りました。とても、当方など入り込む余地などございません。軽い気持ちで割り込んでしまったことはご容赦ください。

 妙な抑圧が少なかったというのは先にも記しました通り、小谷野様の御著書の「昔の農村ではセックス相手の選り好みがあまりなかったかもしれない」「愛のないセックスはいけないという観念はなかった」というようなことです。もう一度、当方のメールを読み返されたほうがよいかも知れません。

 どうみても全然関係ない赤の他人の前でほかの学者こき下ろしてるのを見たら党派争いとしか思えないのだが。

 更に、意図的にサンプル絞ったデータ世論誘導してるのはテメエの方じゃねえのか?

 しかもテメエで書いてること忘れて切れてるしなあ。ニワトリ並の前頭葉のようです。小谷野センセイは。


 で、バカはテメエがバカであることに気づかないのが定説というとおり、小谷野センセイ、更に墓穴堀りまくります。

「そんなことに血道をあげて」とおっしゃいますが、そもそもあなたがインターネット上であのアホ文を書かれたのを発見したから、このような文章は又しても読書大衆を誤らせると思ってやりとりしているのではありませんか。ご自分で今ごろ書いておいて何を言われる。

近松について私が言っているのは、高校や大学文学史国文学の授業、あるいは研究論文などで近松がひどく重要作家であるかのように言われていて、竹田出雲、並木宗輔、近松半ニ等、実際には近松以上に人気作者であり続けている者たちが不当に軽視されているということです。

戦後の女形廃止論」については、当方の不勉強です。以後調べます

 素人に論破される学者素人をアホ呼ばわりするのって、なんかおかしくねえか?

 絶望書店氏がせっかく論争を元に戻そうとしてもミスリードしてあさっての方向向きやがるし。

 これに対する絶望書店氏の返事は以下。

 遊女の平均寿命については確認をされていたのですか。どうも、あれは西山松之助『くるわ』を元にしているようで、データには最高齢40歳となっているようで、当方はこの本は未見なので気になっていたのですが。

 できますれば浄閑寺の過去帳データをすべてインターネット上に公開して誰にでも読めるようにする作業などをしていただけると幸いです。研究者の方は第一にこういうことをすべきで、これこそ立派でまともな学問であると当方は愚考するのですが。

 平均などではないひとりひとりのデータは、充分遊女の悲惨さを広く伝えることができると存じます。

 当方のメールを読み返していただけるとお判りいただけるかと存じますが、当方は小谷野様の間違いを批判しているのではなく批判的な資料の読み取りなどをされるように申し上げているだけで、これからはつまらないトリックなど引っかからずに立派なお仕事を成されるのならそれでよいのです。訂正されてもまた同じようなことをされるのなら意味はございません。 近松に関してはほかの作者の重要性を述べるのにわざわざ近松が人気がなかったなどと云う必要はないはずなのですが。どうも、二項対立の図式にもっていかれるのがお好きなようで。

 論文というほどのものではございませんが当方も近松については少々書いておりますので、「近松の逆説」と次の「二人近松」をお読みください。

 小谷野様の評価といやに重なるので当方は笑ってしまいましたが。この文章は『江戸幻想批判』を拝読する半年前に書いたものですので、その点は誤解無きようお願いいたします。評価は同じでもこういう具合の近松もいいけど近松半二はもっといいというような書き方もあるのではないかと存じます。

 久本福子氏の『文化ファシズム』はあの妄想によって幾人かの方々の深い感動を呼び起こしているのです。ウェブ上で検索されてみればお判りいただけるかと存じます。当方も感動をもらったひとりなのです。読者に感動をもたらす以上の読者への責任の取り方がほかにあるでしょうか。

 小谷野様はもう読まれたのでしょうか。まだでしたらぜひご一読ください。

 本日の2通の追伸で、当方にもようやく小谷野様の御著書が多くの方々に愛読されている理由が判ってまいりました。当方は『江戸幻想批判』しか読んだことはなかったのですが、これからはほかの御著書も拝読させていただきます。

 ・・・言葉は丁寧だけど、相当うんざりしてるんだろうな。俺だったらリモホさらして東大に問い合わせるぐらいするかもしれない。

 で、小谷野センセイ、相変わらず電波飛ばしてます。

しかし『江戸幻想批判』は、江戸性愛を過剰に美化する一般向け書物が少なからず流通しているという事態を批判することが少なくともその前半の主旨であって、あなたはその主旨については「幻想派」の文学妄想を良しとするばかり、拙著については毛を吹いて傷を求めるように論っております。あなたは私に対してはひどく厳密な資料の読解を要求しながら、幻想派の妄想に対しては「どうでもいい」とか「そういうこともあったろう」とかいうのみではありませんか。そういうのをアンフェアというのですよ。

なおあなたは以前「読者に対する責任」云々と言っておられましたが、あなたが強く推薦している久本福子氏の『文化ファシズム』は、妄想の産物ともいうべきトンデモ本ではありませんか。いったいあなたのおつむこそどうなっておられるのか。

小谷野敦

 ・・・ああいえば(ryって感じだ。さらに電波文は続く。

小谷野敦氏より追伸 <12> 2002/11/27/14:01

絶望書店主人さま

私の最新刊『中庸、ときどきラディカル』(筑摩書房)には、田中優子江戸の恋』を批判した「江戸幻想批判、ふたたび」が載っておりますので、そちらもご覧ください。

「性は聖なるもの」というのは「見方」ではありません。「前近代日本人は聖なる行為としてセックスしていた」と主張するからには、当時の人々がそう考えていたことを論証しなければならないのです。

もし「見方」ならいい、と言うなら、「年季証文を取られて売春させられている、それだけで悲惨だ」というのも見方でしょう。

近世女郎が悲惨だったなどということは、「苦界」「床ほどつらきものはなし」といった言葉等々から明らかなことです。また私は『傾城買ニ筋道』の例も挙げたはずです。

なぜ近世娼婦が悲惨だったということを言うのが娼婦を貶めることになるのかまったく理解できません。では増田小夜の『芸者』は芸者を貶めることになるのか、『サンダカン八番娼館』はからゆきさんを貶めることになるのか。

 完全に意味不明。てか、学会マジでこいつの博士号剥奪した方がいいんじゃねえか?

 江戸時代の文化論語るのに何で明治・大正・昭和の話が出てくるんだ?

 江戸時代の遊女を論じるのに、何で「サンダカン八番娼館」が出てくるんだ?あれは完全に明治以降の話だろ。

 『芸者』については、以下のエントリが秀逸なので参照いただくといい。俺は流し読みしかしてないんで語れない。

 極東ブログ:[書評]芸者増田小夜・平凡社ライブラリー

  http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2004/01/post_9.html

 「サンダカン八番娼館」については、中学のとき家の本棚にあって熟読したので多少は説明できるので、簡単に説明する。

 これは、明治時代農村から多額の前借で縛られて、外国売春しに行かざるを得なくなった人の話を本人から聞いて書にしたドキュメンタリーだ。

 どちらにしても、江戸時代とは時代的背景がまったく異なる話なので同一に並べられてもって感じなのだが。

だいたい飽くまで実名を名乗ろうとしないことが、あなたが自分で自分の書いていることを世間に顔向けできない恥ずかしいことだと認識していることを示しています。「訂正を要求していない」とは驚いた。あなたが読者に対する責任をどうするのだと居丈高に言うから、活字で訂正しようと言ったのではありませんか。前後矛盾、自家撞着、あなたの他の文章を見てもふざけきったものばかりです。恥を知れ。

小谷野敦

 ・・・えーと、東大って他人に対する口の利き方もなってねえやつを世に送り出すのでしょうか? で、こいつ、40過ぎだろ?いい年こいてそれじゃどこ行っても干されるわけだよ。

前後矛盾、自家撞着、あなたの他の文章を見てもふざけきったものばかりです。恥を知れ。

 さすがに絶望書店氏も、小谷野センセイとまともに会話する気にならなくなったようで。

 そこで、ある部分まではまったりとした流れになります。

小谷野敦氏より <15> 2002/11/27/18:50

絶望書店主人さま

延広真治編『江戸の文事』所載の拙論近松神話の形成序説」は明治以後の近松評価を批判的にみたもので、末尾においてむしろ半ニの再評価を考えているといてあります。『男の恋の文学史』では夙に内山美樹子先生の、構成力は門左衛門以後の作者がまさる、という言葉を引いております。岡本綺堂の「近松半ニの死」はお読みになりましたか? 現在近松門左衛門の世話物が持て囃され映画になったり舞台になったりするのは、西洋渡りの恋愛思想に大衆が毒されているからです。しかして江戸幻想派が江戸性愛を礼讃するのもこれまた西洋渡りの性の解放思想を無邪気に信じているからです。

多くの近世文学日本史専門家は、佐伯氏や田中氏の仕事をバカバカしいと思いつつ相手にしていません。しかしそれは悪しきアカデミズム、悪しき低回趣味であり、自然科学と違って人文科学研究の成果を一般大衆に還元する責任があると私は考えておりますから、今後もマスコミを通じて広められる似非学問は批判してまいります。

小谷野敦

絶望書店主人より <16> 2002/11/28/06:54

小谷野敦 様

 お世話になっています。絶望書店でございます。

 我々は残念ながら近松の本当の舞台を観たことがありません。現在の三人遣いや実験的に行われた一人遣いの人形の舞台は、おそらく当時のものとは懸け離れているんでしょう。演劇は演出でまるっきり違うものになりますから、我々の抱く認識がどれほど正しいものかは考え物です。

 近松の時代物は読み物としておもしろいですよ。近松半二よりも読み物としてはおもしろいと想います。これは半二のほうが人形や舞台をよく判っていたということなのやも知れません。しかし、その半二も江戸時代には必ずしも人気があったとは云えません。

 歌舞伎に移されてからのことはよく識りませんが、文楽では大ヒットした『妹背山婦女庭訓』以外はあまり客は入らなかったはずです。あれほど素晴らしい舞台が何故それほど受けなかったのか、不思議ではありますが。

 先のメールで示した当方の文章をお読みいただければお判りいただけると想いますが、あたくしは近松門左衛門より近松半二のほうが断然優れていると考えています。しかし、自分はほんとうの近松門左衛門をどの程度識っているのだろうかという疑問は、絶えず頭の片隅に置いています。

 そして、以下のところでチクリと刺してます。

 何百年前の歴史や文化を読み解くなんて、およそ人間の知的活動としてはもっとも難しい部類に属する探求です。眼の前にある資料を批判的に疑問を抱きながら読み解くことも大切ですが、己がどれほど正しい認識を抱いているのか絶えず自分自身に批判的に疑問を抱き続けることがさらに重要なことだと想っています。

 べつに難しいことを云っているのではなく、歴史に対して謙虚になるという当たり前のことです。 「平均寿命23歳」の駄文からこのメールのやり取りに至るまで、あたくしが一貫して主張しているのはこの一点だけなのです。

 あたしくは歴史や昔の文化についてはまったくの素人で知識も御粗末なものです。しかし、資料を疑ったり自分自身を疑ったりする姿勢はつねに忘れていないつもりです。いや、忘れることはちょくちょくありますが、強いて想い出すように努めています。

 あなたは三日前まで吉原の遊女はほとんどが23歳で死んでしまうと考えていたわけです。これは単なる数字の間違いではなく、江戸時代世界観全体を掴み損なっていたということです。

 ここで反省していままでの自分自身の江戸時代認識を総点検し、これからも自分自身の認識を絶えず批判的に疑うようになれば平均寿命23歳の失敗は財産になると想います。しかし、数字を訂正しただけで、相変わらず自分は江戸時代の文献をいっぱい読んでいるのだから江戸文化に詳しいのだと傲慢なる姿勢を続けるのなら何にもなりません

 少なくともいままで23歳で死んでしまうと考えていた人たちがもっと長生きできると判ったのなら、素直に喜ばないと生きた人間を視ているということにはなりません。生きた人間相手の感情のこもっていない「悲惨」などという言葉になんの意味もありません。

 あなたひとりだけに向かって云っているつもりはありません。歴史や昔の文化を探索しようとしている諸氏すべてに伝わればと想ってあの文章は書きました。あなたはお笑いになるやも知れませんが、ウェブ上に文章を晒すとはそういう可能性が幾分かでもあるということです。

 幸いあなたにもいくらかは届いて、またその連鎖反応として多くの方々にこの文章を読んでいただけることができました。

 対象を疑って、己を疑って、考えて考え抜けば視えてくるものはあるとあたしくは信じています。ほんとうに考えて考え抜けば、平均寿命23歳などという間違いは決して起きないと信じています。これは自戒言葉でもあります。

 あたくしのような者とのやり取りにお付き合いいただきありがとうございました。

絶望書店主人 

 確かに収束したいよなあ。キ○ガイ相手は疲れるよママンって感じだろうし。

 そして、言ってることは至極まっとうだ。

 ただ、まっとうな理屈が通用しないキ○ガイは世にいるわけで・・・そう、小谷野センセイその人です。

小谷野敦氏より <17> 2002/11/28/10:20

絶望書店主人さま

いずれその「歴史に謙虚」という言葉が出てくるだろうと思っていましたよ文学研究の世界にも「作品に対する真の愛情をもて」とか言う人がいますが、私は、謙虚とか傲慢とかは、学問価値関係ないと思っているのです。

 ・・・学者資格ねえよ小谷野敦よ。理系だったらマッドサイエンティストになる口だな。文学語るんだったらその当時の時代背景が作品に重要な要素持ってる以上、その時代背景を調べなきゃ、何が語れるんだよ。ましては生まれる前の時代背景は、文献で読めても、実際経験してねえわけだから、文献の真贋がわからなきゃ正しい時代認識は生まれねえと思うのだが。

 知らないことは恥じゃない、知ろうとしないことが恥なわけで。

 テメエ、「ホテル・ルワンダ論争」で祭りになった嫌韓厨のバカ女とレベル変わらんよ。で、テメエは一応学者の肩書き背負ってるんだろ?

 どうせ平均寿命など調べなおしても数年あがるだけ、私の主旨は微塵も揺るぎません日本社会は謙虚になれファシズムに覆われていますから、謙虚に間違ったことを言う者のほうが傲慢に正しいことを言うものより好かれるのです。「謙虚になれ」という恫喝日本中のあちこちで行われていますよ。私はむしろあなたの恫喝に人々が怯えて従わないよう祈っています。私はそういう風土を憎んでいます。まあ偉そうなことを言いたいなら、匿名ではなく実名で、活字にすることを考えるべきですね。

 テメエのやってることはそのまんま恫喝というのだが。しかも釈迦に説法じゃなくて馬鹿に説法だし。

 傲慢に正しいって・・・テメエの非を認めねえだけじゃねえかよ。

 

 謙虚だろうが傲慢だろうが、正しけりゃ好かれるし、間違ってれば叩かれる。ただそれだけのことだ。そして人前で発言すりゃレスポンスは返ってくるわけで、賞賛もあれば叩きの意見もある。それを受け取るのも受けとらねえのもテメエの勝手だし。

 ただ、賞賛はほしいけど批判は嫌だ、だから批判する人をぶっ殺すというテメエの理屈は通用しないし、それをやってる奴を世間的に何て言うか知ってるか?小谷野よ。

 

 キ○ガイっていうんだけどな。

すべからく」の誤用を素直に認めないあなたが謙虚だなんてとても思えませんが。

妄想によって感動を与えられるというのは、そりゃ困ったバカどもですねインターネットに巣食うシロアリのようなクズなど相手にしないというのも一つの方法ですが、2ちゃんねるなんて北朝鮮みたいなものですから、議論でどうにかすることはできません。私は門左衛門の文章には特に感動はいたしませんね。半ニのほうが優れているのはその通りです。しかしまた、藝術作品の良し悪しというのは本当は科学的には決定しえないものですからね。

小谷野敦

 小谷野センセイの脳内こそが北朝鮮だと思うのは俺だけでしょうか?

 まあ、見ている俺もいいかげん切れ掛かってるのだが、絶望書店氏、とことん冷静かつ丁寧です。

絶望書店主人より <18> 2002/11/29/04:55

小谷野敦 様

 お世話になっています。絶望書店でございます。お手紙いただきありがとうございます。

 なにか愉しいものでも同封されているのかなとちょっぴり期待したのですが「冠省 本当にこの住所氏名で届くのか、試しに送ります」だけではいささかさびしい気もいたしましたが、これで絶望書店主人という名前は総務省も認める通名としてご容赦いただけますでしょうか。

 不躾ながら、返信はこのメールにて代えさせていただきます。

 ・・・えーと。小谷野センセイ、郵便まで送ったのかよ。

 つーか、このエントリ東大とか日文研は見てるんでしょうか。

 傲慢を通すにはそれに見合う知識や見識が要求されてなかなか辛いものです。知識が追いつかないと単なる嘘つきや莫迦のように見られてしまいますから。しかし、小谷野様ほど江戸時代歴史や文化に通じた方なら問題ないでしょう。なにせ、遊女の平均寿命は調べ直しても数年上がるだけという画期的な新説を打ち立てられているほどですから

 小谷野センセイを完全におちょくってます。

 23歳から数年上がるだけということは、28歳で年季明けした女性たちはほとんどすぐに全員死んでしまうということになります。日頃、遊女の悲惨さに心を痛められておられる小谷野様が訳もなく遊女は早く死んでしまうほうがいいような発言をなさるはずはございませんから、必ずや決定的な根拠を握っておられることと存じます

 今回のやり取りはいまのところ1000人くらいの方々が見守っているようでして、なかには小谷野様のお言葉を疑って2ちゃんねるに「平均寿命のことをまだ判ってないのか」みたいな書き込みをしている不心得者がおります。小谷野様の画期的研究を見せつけて、こんな根拠のない想い付きを垂れ流す口先だけの輩を黙らせてやりましょう

 いいねえ、こういうおちょくり方大好き。

 そういや、俺のところも小谷野ネタで3千人以上来てるからなあ。小谷野センセイ様様だよ。

 で、小谷野センセイはてめえが吐いた唾の始末はどうするんだろうね。

 とくにあたくしが感服いたしましたのは遊女の平均寿命は調べ直すということのほうでして、何万人いるかも判らない吉原を出たあとの女性たちをどうやって追跡調査して寿命を出すのか、凡夫のあたしくには想像もつかない革新的調査方法を編み出されたのだと存じます。これだけでも素晴らしいことで、ぜひ調査方法だけでも先に発表していただけると歴史調査の進歩に決定的貢献となります。もちろん調査結果のほうも、あたくしを初めとして1000人の方々が固唾を飲んで待っております。これが小谷野様の江戸時代研究価値を決定付けるすべての中心になると信じます。

 そりゃそうだよなあ。ちゃんと論文に出すんだよね?

 江戸文化だけではなく現代の歌舞伎にも造形が深く、また戦後の女形廃止論を歌右衛門丈のひとつの画期としている渡辺保氏の本を論じられた小谷野様が戦後の女形廃止論をご存じないはずがなく、あたくしなどには計り知れない深謀遠慮によって不勉強などと仰ってるのだと想います。

 当方は戦後の女形廃止論を歌舞伎史全体から見ても大きなポイントと考えておりまして、恥ずかしながら駄文などもしたためておりますので「中村歌右衛門ヲタク魂」をご笑覧いただけると幸いです。

 2ちゃんねるでは小谷野様ほどの知識も見識もないくせに文体だけは小谷野様のメールの文章をそっくりマネたような輩が数多く跋扈しておりまして、またこの連中がなんの根拠もないのに歴史事実をゆがめるような珍説を振り回しながら専門家ヅラをして社会に害毒を流しております。

 ぜひ、小谷野様のお力でこんな無智蒙昧なる輩を打ち倒してください。お見受けしたところ、以前に2ちゃんねるに乗り込んで行かれた頃より数段パワーアップされているようですし、小谷野様なら必ずやあんな連中は一掃できるものと信じております。

 とにかくあたくしなどの軽輩はとても小谷野様のお相手を務めますのは不足に過ぎます。ぜひ、2ちゃんねるで闘っていただけますよう。またもや、小谷野様の悪口を云うようないかがわしい連中がわいてきておりますし。議論でどうにかすることはできないとは、実力行使もあるとの心強い宣言だと受け止めました。

 各方面での小谷野様のご活躍を祈っております。おそらく小谷野様からいただいたメールを読む者は最終的に数千人に達すると存じますが、その方々の期待と注目が一身に集まっていることをお忘れにはなりませぬよう。

 それでは、これにて本日打ち切りとさせていただきます。ありがとうございました。

絶望書店主人

 どう見ても褒め殺しです。

 本当にありがとうございました

 ・・・しかし、よく絶望書店主人も付き合ったよなあ。一松二生以上の電波だよ。

 で、小谷野センセイ、懲りずに香ばしいことやらかすんだよな。この後も。


 しかも今度はオナニーを覚えた猿みたいにインターネットで大活躍するわけだから面白すぎます。

 ・・・長くてすまなかった。次のネタはここ最近小谷野氏の香ばしい言動を晒すとする。

 及川政治以上の大物だよ。小谷野センセイは。


 東大もずいぶん個性的な人材に教鞭取らせてるんですね。見直しました。(褒め殺し)

anonymous_oneanonymous_one 2006/03/28 23:52 ヲチスレまである人ですし>小谷野サン

いや、私は大好きですよ? この人。
私はネット上の匿名(つうかHN)肯定派なので、無能な敵は大歓迎ですとも。

anon2anon2 2006/03/29 04:58 そいつは学者じゃないよ。フリーライターだよ。
そんな小者じゃなくて、上野千鶴子とかその他の大物を攻撃して欲しい。
http://school5.2ch.net/test/read.cgi/design/996221908/321

muffdivingmuffdiving 2006/03/29 09:30 >anonymous_oneさん
肩を持つと思わせてチクリと刺すのがステキです。
ヲチスレって、どこの板だろう・・・
>anon2さん
えっ?昔大阪大の助教授やってて、論文論文ほざくから学者だと思いました。
 浅野先生って街道ともつながりあるのか・・・相当理論武装しねえと命がけというか。ましてや京都だしなあ・・・自宅押さえられたらしゃれにならないw

遊鬱遊鬱 2006/03/29 11:41 初めまして、小谷野さんネタ楽しく読ませていただいています(おそらく近いうちにこちらにも湧くんじゃないですか?反応した日記書いていますし)。ちなみにヲチスレは↓です。

【バカか?】小谷野敦自作自演スレ【キチ●イか?】
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/book/1102591035/

muffdivingmuffdiving 2006/03/29 16:38 はじめまして。
ヲチスレ見たけど、文学板と一般書籍両方にありました。
ちなみに一般書籍板のほうはこちら。
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/books/1138038653/

両方見たが、相当な電波だよママン。

は・ては・て 2006/03/30 11:44 良エントリ続けて乙です。
さて、両氏の引用部分で太字にしたり色つけたりしている部分は、管理人さんの強調ですよね? その旨、どこかに記載したほうがええかと思います(「強調は引用者」みたいなん)。元の絶望書店さんの文章は、もうすこし冷静な雰囲気を出していますし。
続き期待しちょります。では〜ノシ

muffdivingmuffdiving 2006/03/30 13:29 ありがとうございます。
確かに引用部の強調の件、ご指摘のとおりでしたので、本日のTop以降記載するようにいたします。サンクスっす。

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