「超」シリーズで有名な野口氏の本業は経済学者である。下のほうに経済学関連の著書もあげてある。
中公新書。
広範囲に知的活動をくりひろげている人にとっては、ここに提示された「押し出しファイリング」による整理しないで時間軸で並べる、というやり方は有効であろう。
しかし、それはあくまでも「情報」の整理法である。モノは徹底分類できる、というのも合わせて読まなくてはならない。
それに、かなりルーチンワークですんでしまう人は、むしろその全体像を把握して徹底整理しようと思えばできてしまうものである。にもかかわらず、教員の机は概してグチャグチャである。授業のかたわら学術論文書いてるわけでもないのにね。事務的な情報の残骸を後生大事にとっておく同僚が多いのには笑ってしまう。
本書では「パソコンを使わないのはぜいたくだ」とあるのも全く同感である。学校というところは、「手書き」の文書をたくさん書かせられる職場なので、頭にきてしまう。
中公新書。
この本の評の中に、前書よりも落ちる、としたものを読んだことがあるが、とんでもない。こちらのほうが、よっぽど多くの人にインパクトを与える本である。前書は情報整理法にテーマを限定していたが、本書は「時間」をテーマにしたため、当然仕事の「効率」に言及している。どんな職種の人にもあてはまる、当然そうあるべき仕事の進めかたが提言されている。
中公新書。副題が「とりあえず捨てる技術」となっている。
「とりあえず捨てる」ということを仕事の一貫として認知することから始める。
Windowsの「ごみ箱」の思想である。ここに「とりあえず捨て」ても、復活したいときは復活できる。この「保存ごみ」「バッファー」という方法は大変有効だし、誰でも結構工夫して似たようなことをやっているのではないか。
他に、第1書では充分には書かれていなかった本・CDなどの整理についても、少し具体的な記述がある。本については、さすが学者で大変な量の本と戦っているのだなぁ、と思ったが、CDに関しては私のほうがたぶん上をいっているだろう。私の紙製BOXを作ってまとめるというやり方は、野口氏が本を箱に入れて積んでおくのと似たようなものである。
講談社。著者による勉強法の3大原則をあげておく。→私が生徒にプリントしてやった要旨
講談社。前書よりさらにポイントがしぼられている。あわせて読むべきである。
講談社。基本五原則は次の通り
上のことをふまえて、さらに、
といったことを書いている。
「発想には決まったルールなどない」という考えがおおもとにあるため、前2書と違い、テーマをずばっと語るという感じではなく、テーマの周りをなんとなく徘徊しているような感じがする本になっている。
しかし、最後に「あとがき」で総まとめとして、
煎じ詰めればこの2点が本書の提唱している方法論である、と書いてある。そして、この2点でOKだ、と悟ったのも本書の執筆の最終段階になってからのことだ、と告白されている。
中公新書。2002-10-25。
野口氏の文章法は『「超」勉強法』にも書かれており、その内容は本書では第3章「骨組みを作る(2)」に繰り返されている。
光文社新書。2001年11月刊行。
この本でも目から鱗が落ちるような指摘がなされている。いわく、
といった具合である。まったくその通り。
中公新書。1991年。
日本経済新聞社。1992年刊。
野口氏の本業における著書を読んでみたくなったので1冊だけ買って読んでみた。
最近の日本のバブルの解説だけでなく、歴史上の様々なバブル事件についても書かれていて歴史の勉強にもなった。
東洋経済新聞社。2002年12月。
著者は、1993年夏、自民党長期政権が倒れ細川政権ができたあと「55年体制は崩壊したが40年体制は残っている」と指摘し、95年に本書の旧版を執筆した。それが本書の第10章までである。
その後の変化を第11章として執筆し、「実際に行われているのは40年体制の延命策である」と書いた。
日本経済新聞社。2002年7月。