中国のチベット自治区では、中国政府に対する僧侶や市民のデモに対し、軍や警察が大規模な鎮圧に乗り出しています。デモは暴動に発展し、中国当局の発砲などによる死者は「100人に達する」との情報もあります。
14日からチベット自治区で始まった中国政府に対する抗議デモには、主要都市のラサなどで大勢の僧侶や市民らが参加しています。鎮圧に乗り出した中国当局に対し、一部の市民らは投石や放火で応じ、デモは暴動に発展しました。
インドにあるチベット亡命政府は、中国当局の発砲などによって少なくとも30人の死亡を確認。未確認情報として「死者が100人に達する」と発表しています。
一方で、中国の国営テレビは、発砲は暴動を鎮圧するための「威嚇発砲」だとした上で、死者の数を10人と発表しました。また、中国政府の当局者は、今回の抗議行動を「操っている」として、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世を非難しています。
チベットでは1950年に中国軍が進駐し、その後、ダライ・ラマ14世が亡命して以来、独立を求める抗議行動がたびたび起きていますが、今回は1989年以来の規模に発展しています。(15日22:43)