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2007年12月 3日 (月)

社会貢献ブームも本格化?

昨夜。仕事に疲れて家に帰ったら、嫁が「紳助さんがカンボジアに学校を作るみたいよ〜」と騒いでいた。なんのことかと思ったら日本テレビ「行列のできる法律相談所」の番組企画だった。

しかし、その企画の名前が「社会貢献プロジェクト」。
なんとも直球勝負なネーミングが、かえって彼らの本気度を窺わせる。

番組では、カンボジアの貧しい農村に住む13歳の少女をフィーチャーして話を進める。彼女の村には、学校は一つしか無く、先生は3人。校舎もひとつで、吹きさらし、屋根も穴だらけで雨が降ると授業が出来ない。教室は狭く、生徒が入りきらないので午前と午後に分けて授業をする。それでも教室は満員なので、3年生までしか授業ができない。それ以上の学年になると、20キロ離れた町の学校に行くしかない。ほとんどの子供たちは通学は無理で、そこで勉強を終えてしまう。
番組は彼女を町の学校に連れて行く。その学校は立派な校舎を持ち、生徒たちは制服で授業を受けている。あの制服を私も着てみたい。高揚した面持ちでそう語る少女。しかし、授業が始まるとその表情は一転する。授業が終わった教室で涙を流す少女。彼女が見学したのは小学校五年生の授業だったが、3年生で学校を終えるしかなかった彼女には、授業の内容が全く理解できなかったのだ。

場面は少女が住む農村に戻る。一冊のボロボロになった英語の教科書を少女はカメラの前に差し出す。どこかで拾ってきたモノを大切に持っているらしい。
「今は英語が読めないけど、いつか勉強して英語が出来るようになって世界で活躍できるようになりたい」
彼女は健気にそう語る。

そんな彼女のために、この村に学校を作ろう! というのが、このプロジェクトでありますが、単に募金を集めるわけではないのが、テレビ的であります。

学校建設の資金をどうやって集めるか? 単純にお金だけの話にはしたくないと主張する紳助。そこで、有名人100人に絵を描いてもらって、番組視聴者を集めたオークションでその絵を販売して、カンボジアに学校を作ろうという企画になった。なるべく多くの人に企画に関わってもらって、そのつながりで学校を作るというわけで、オークションでは紳助自ら司会を務める。

島田紳助、意外とマジでこの企画に取り組んでいるかもしれない

そして、この企画には、テレビで募金を集めるためにはどうするべきか?ということの基本がすべて詰まっている。少女にフォーカスして物語を作るのは、24時間テレビで培ったノウハウが活かされてるのだろうが、そこで募金とならずに、お金じゃないんだ、人のつながりなんだというところに、さらに大きな正義を纏うことになる。つまり、少女のドラマに、日本の芸能人のドラマが重なり、視聴者の感情をさらに大きく揺さぶる。ついでに、企画を引っ張れる。(少女の物語だけでは一回で終わってしまう)

そんなわけで、今後の展開が楽しみな「社会貢献プロジェクト」だが、日曜21時というゴールデンど真ん中のバラエティ番組で、どうどうと臆面無く社会貢献と言ってしまう時代になったわけだ。この企画、社会貢献の時代の幕を開けることになるかもしれない。グッドニュースであります。

あと、普通にやると偽善っぽくなりがちなこのテの企画も、紳助がやると偽善くささも無くなり、適度な笑いと適度なハートの熱さがバランス良く融合され、楽しくワクワクする社会貢献というイメージを作り出せる。こんなことが出来るタレントは、他にはちょっと思いつかない。

紳助、意外と社会貢献タレントの可能性は大きいんじゃないかと思う。これまた意外に、本人も嫌じゃないのではないか? 少なくとも、そのポジションにうまくはまることが出来ると思う。

日本のテレビのゴールデンで、社会貢献番組を作るにはどうすればよいか? ひとつの答えが紳助の中に見えてくる。これも僕にとってはグッドニュースであります。

竹井

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受信: 2007年12月 3日 (月) 20時07分

コメント

これは、いいこと聞きました。確かにグッドニュースですね。
日本にも本格的ににソーシャルマーケットが誕生する、そのきっかけになるのは、間違いないでしょうね。

かつては、充実した生活の先に、初めてボランティアなどの社会貢献への興味があるのでは、と考えていたこともありましたが、どうも、最近そうでもないのでは・・・と考え始めています。相変わらず不況感から脱しきれない昨今、何か漠然とした不安感が漂う今の風情、こういうときにこそ、実は何か社会とつながりを感じていたいと考えるのかもしれませんね。その答えの一つが社会貢献。

欧米では、確実に企業が率先だって社会貢献するものという意識が確立していると言っても過言ではないと思いますが、むしろ日本では、個人CSRという概念の確立が先に実現し、その市場形成に反応した企業がはじめて重い腰をあげる、なんだかそういう方向性のほうがあり得るのではと考え始めています。

この方向性から考えているサービス構想があるので、近いうちにまたご連絡します。

投稿 尾鳩 | 2007年12月 4日 (火) 09時35分

コメントありがとうございます。

たしかにグッドニュースだと思うのですが、問題は、社会貢献やソーシャル・ビジネスに関心の高い人たちは、地上波のバラエティ番組をあまり見てないことですね。(^^;)

まあ、これをきっかけに、芸能界でも社会貢献ブームが起こってくれるとおもしろい状況になります。

ソーシャル・ビジネスは、格差社会問題の解決にも繋がるので、その意味でも大きな関心を集めるでしょう。格差社会やワーキングプアに関しては、問題提起はもう十分になされているので、そろそろ有効な解決策を提示して実行する段階ですからね。

投稿 竹井 | 2007年12月 4日 (火) 19時03分

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