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2007年12月 3日 (月)

スリランカの平和

身近な良いニュース、というかちょっと私的に嬉しいニュースでも。個人的なニュースで恐縮ではあるが、今月からスリランカのNGOであるセワランカ財団 セワランカ・エンタープライズ開発会社(SEDCO)の日本代表に就任することになった。

グローバル・グッド・ニュースでも紹介されているスリランカビジネスのパートナーの一つが、このセワランカ財団。その縁もあり、今回日本代表に就任することになった。日本市場をターゲットにした、将来的なビジネス活動を念頭に置いた措置でもある。取締役を務めているアセント戦略ネットワークスとの二束わらじになるが、実は異なる二つの事業をするわけではなく、今以上に忙しくなるわけではない。

スリランカのビジネスは、ODA事業の開発コンサルタント時代の縁が、そもそもの始まりではあるが、実は、当初から「ビジネスをやるならセワランカと」、と決めていた。その理由も含めて、簡単にセワランカという団体を紹介したい。

詳しい紹介は、セワランカのHP http://www.sewalanka.org/ をみて頂くとして、一言でこの団体を説明しようとするのは難しい。最初にセワランカを「NGO」と紹介したが、日本のNGOの一般的なNGOのイメージとは随分と異なるかもしれない。規模も、日本のNGOとは格段に違うが、規模だけでなく、組織形態からして大きく異なる。

国連やJICA等のODA実施機関と連携をとって、支援事業を行うのは、そもそも日常であると言っていい。この点では、日本のピースウィンズジャパン等の国際NGOと同様である。しかし、セワランカの場合、自身が財団でもあり、時には他の団体のプロジェクト支援を行う場合もある。この点では、日本財団や笹川平和財団をイメージするのが妥当かもしれない。加えて、マイクロクレジットを実施する銀行やビジネスを実施する企業を保有している。ビジネスを実施する部門が、セワランカエンタープライズ開発会社(SewaLanka Enterprise Development Company: SEDCO)となる。

ODAを実施する支援団体、財団、企業と様々な顔を供えた団体、つまりは、スリランカで支援事業をする際の、顔役的な団体であると言えばいいだろうか。

しかし、私がこの団体に注目した最大の理由は、実は他にある。それは、このセワランカという団体こそが、スリランカの北に居座るLTTE、通称タミルの虎と唯一連絡を取れる機関であると点である。ノルウェー政府も、この機関を通して、平和構築を探っているわけだ。

スリランカ政府のみならず、タミルの虎とも関係を保っている機関、言わばスリランカの平和構築の鍵を握る機関。そういう機関と二人三脚で、ビジネス構築を模索する。それが今の私の立場になる。ノルウェー政府やその周辺NGO、そして国連機関のほとんどは、外交努力と武装解除により和平の実現を目指す。その努力は、つい最近のテロ事件もあり、なかなか実りにくいものがある。私は、ビジネス、つまり利益配分を通したウィンウィン関係の構築という視点から、平和構築を探っていきたいと考えている。利益の創出は、時には争いの種となるが、一方で争いを終結させる最大の要因にもなり得る。

セワランカを通じた活動のステークホルダーが享受するもの、それが利益と平和であると誇りを持って言える日がくるためにも、このスリランカビジネスは、成功させたいと強く思う。 (坂井)

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コメント

日本代表ですか?
なんだかカッコイイですね。
おめでとうございます。

投稿 竹井 | 2007年12月 3日 (月) 19時39分

いやあ、どうもです。おっしゃるとおり、格好だけの就任です^^;。でも、セワランカのフラッグが堂々と使えるのは、ビジネス的にもありがたいですよ。

投稿 坂井 | 2007年12月 4日 (火) 09時37分

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