ビッグイシュー
打ち合わせを終えてオフィスに戻るべく最寄り駅で電車を降りて改札口を出たら、ビッグイシューの販売員のオジサンが店じまいの支度をしていたので慌てて三冊、購入した。ビッグイシューは(これも、こんなブログを読んでくれる人ならご存じかもしれないが)ホームレスに雑誌販売という仕事をつくり自立を支援しようという雑誌で、僕は、最寄り駅の販売員のオジサンから買うことにしているが、買う度に思うことがある。
それは、雑誌のカラーをもっと鮮明にした方がいいのではないか?ということだ。
前述したとおり、この雑誌はホームレスの自立支援がミッションで、イギリスで創刊された。いまでは世界各国で発行されている。社会起業家の話をするときには、必ず話題になるような、ソーシャル・ビジネスの大きな成功例だ。
難点は割高感があること。一般に売られている雑誌と比べて、A4版32Pで300円は高い(9月までは28P200円だった)。高いのに買うというのは、この雑誌がホームレスの自立支援になるからだという人も多いだろう。僕も最初はそうだった。
ちなみに、僕はこの雑誌をいつも五冊買っていた。1冊200円だったので千円で五冊買えたわけだ。今は300円なので三冊買って100円、お釣りをもらう。何故に千円かというと、大した意味はないが、まあきりの良い数字だし、千円札なら財布から出しやすい。それに、コインを渡すより紙幣の方が受け取る方も気持ちよかろうという思いもある。人は誰でも、気持ちいいことが起これば、生きることにさらに前向きになれるものだし、この雑誌を買うのはホームレス支援の意味があるから、まあ、少しでも良い気分になって欲しいと考えてのことだ。ただし、これは募金でも施しでもないから、それ以上は買わない。不用なモノを買うのは失礼だと、これはまあ、個人的に勝手にそう思っている。それで、今は三冊買ってるわけだが、自分で読むのが1冊だから二冊余るので、打ち合わせの時などに適当な人に差し上げている。ビッグイシューの普及に少しだけ役立てれば良いかなというわけだが、そんな話はさておき。
雑誌の価値はページ数だけで決まるものではなくて、もっと内容が充実してくれば割高感も解消されると思う。では、どのように内容を充実させるかだが、このような雑誌を買う人間は、社会起業家とかCSRとか環境とかさまざまな社会問題に関心が高い人が多いはずなので、そっち方面の情報をもっと充実させた方が良いと思う。
もちろん、今でもそのような内容も多く、特集でも社会問題を扱うことが多い。最近では、78号で社会起業家の特集をやっていて、これはとれも良かったし、「ホームレス人生相談」や「販売員の生の声」など、この雑誌ならではの連載企画もおもしろいのだが、まだまだ他の雑誌に載っているような内容のページも多い。
どうせなら、徹底して社会起業家とかCSRとかNPO関連の話題で統一してはどうだろう? そっち方面の情報では他のどんな雑誌の追従も許さないというくらい濃い情報が満載になれば、読者の満足度も上がるだろうし、差別化が図れる。ホームレス支援のために買うのではなく、社会起業家やNPO関連のとんがった情報が欲しいから買う雑誌になる。そうなれば、広告価値も上がって企業の広告も入りやすくなり、運営も楽になるかもしれない。今でも発行人は頑張ってるなあと思うけど、まだまだ工夫の余地があるように思えて、ちょっともったいないと感じてしまう。
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» 「ビッグイシュー」日本版の値上げ [富久亭日乗]
「ビッグイシュー」といっても なじみがないかも知れないが、 ホームレス支援のため、 イギリスで創刊された雑誌の日本版である。 ホームレスが路上で雑誌を売って、 利益を生活費に充てる仕組みだ。 日本版は創刊して4年が経つ。 今までに669人のホームレスが登録し、 2億4090万円の収入を提供したという。 新宿ではJR新宿駅南口や西口の高層ビル街で ホームレスの方々が売っている。 「10月1日号」は、「秋、人生を魅了する本」の特集だ。 これまで一冊200円で販売してきたが、 流通経費がかさ... [続きを読む]
受信: 2007年11月 4日 (日) 16時49分
» ビックイシュー [専門用語? なんだこりゃ???ブログ]
ビックイシュー
知ってましたか[:?:]
先日テレビで見て初めて知りました。
貧困という社会的な問題につながっていて、
考えるいい機会と思い書くことにしました。[:ポッ:]
ビッグイシューとは英国で大成功し、
世界(28の国、55の都市・地域)に広がっている、
ホームレスの人しか売り手になれない雑誌のことです。
ビッグイシューの使命はホームレスの人たちの
救済(チャリティ)ではなく、
彼らの仕事をつくることにあります。
ビックイシュー日本版より
もっと知りたい方... [続きを読む]
受信: 2007年11月 5日 (月) 11時08分
コメント
2000年頃のイギリスのビッグイシューは記事内容が過激で面白くたまに買ってましたが日本では殆ど買いません(汗。イギリス版は特にミュージシャンのインタビューが面白く、他の雑誌では書か(け?)なさそうな過激な意見が読めるのはビッグイシューならではでしたから。日本版を読んでみて、影響力の大きい人が他のメディアで言わないことをわざわざ言う事自体が大きな協力貢献なんだなと気付きました。日本のビッグイシューも普通の雑誌では書きにくい記事を載せてくれればこちらも好循環で無駄なく運動支援できるんですが...
投稿 岸 | 2007年11月 5日 (月) 11時39分
岸さんのコメントにインスパイアされてしまいましたよ。新記事として書いてみます。ありがとうございました。
投稿 竹井 | 2007年11月 5日 (月) 18時00分
インプットに貢献できたなら何よりです!
投稿 岸 | 2007年11月 6日 (火) 11時41分