日本教職員組合(日教組)は14日、教育研究全国集会の会場使用を拒んだ「グランドプリンスホテル新高輪」を経営するプリンスホテルと同社の渡辺幸弘社長ら12人の全役員を相手取り、約3億円の損害賠償と全国紙への謝罪広告の掲載を求め東京地裁に提訴した。
原告は日教組のほか、集会に参加予定だった1889人の組合員と日教組傘下の全77単組。損害賠償のうち慰謝料は約2億3000万円で内訳は▽日教組1億円▽1組合員5万円の約9400万円▽1単組50万円の計3900万円。役員については、違法な業務執行に対する監視義務違反があったとして、被告に加えたという。
東京都内での会見で、森越康雄委員長は「謝っていただきたい。いきなり予約をキャンセルし代替地もなかった」と憤りをあらわにした。槙枝一臣弁護士は「ホテルは日教組の説明不足を非難するが事実と違う」と反論した。【山本紀子】
▽プリンスホテルの話 日教組との契約を解除したのは、当日近隣で行われた入試に臨む約7000人の受験生に対する多大な迷惑を第一に考えた結果であり、教育にかかわる教職員の皆様だからこそ、ご理解いただきたいと考える。
毎日新聞 2008年3月14日 19時40分 (最終更新時間 3月14日 20時15分)