日立製作所は14日、08年3月期連結決算の業績予想を大幅に下方修正し、最終(当期)損益が従来予想の100億円の黒字から、700億円の赤字に陥る見通しだと発表した。最終赤字は2年連続で赤字額は07年3月期(327億円)から倍増する。薄型テレビ事業の不振などに伴い、約930億円の特別損失を計上するため。
薄型テレビ事業は競争激化に伴い、価格が下落。さらに米国経済の減速で北米市場の大画面テレビの販売が当初計画を下回っている。中村豊明・執行役専務は「08年度も円高や株安による消費の低迷が予想される。経営環境は大変厳しい」と述べた。
ただ、08年3月期の売上高(10兆8000億円)と営業利益(3000億円)の予想は据え置いた。情報通信システム事業などが好調で、テレビの不振を補うという。
日立は07年3月期決算で、原子力発電所のタービン損傷事故などが響き5年ぶりの最終赤字に転落していた。08年3月期は当初、400億円の最終黒字を見込んだが、2回目の下方修正に追い込まれた。【赤間清広】
毎日新聞 2008年3月14日 20時07分