日立製作所は14日、2008年3月期の連結最終損益が700億円の赤字(前期は327億円の赤字)になる見通しだと発表した。これまでは100億円の黒字を見込んでいた。不振が続く薄型テレビ事業のリストラで930億円の損失を計上するほか、将来に回収できる可能性が低いとして繰り延べ税金資産を取り崩す。大手電機で事業リストラに伴う損失が膨らんできた。
薄型テレビは競争激化で販売価格が下落しているうえ、北米で大型機種の販売が伸びず採算が悪化している。旧型製品の在庫処分などを進めた結果、営業利益の段階で370億円の損失が発生する。ただ、情報通信など他の事業が好調なため、連結営業利益見通しは前期比64%増の3000億円と従来の予想を変えなかった。連結売上高も前期比5%増の10兆8000億円と従来予想のまま据え置いた。
薄型テレビ事業のリストラに伴い一時的に発生する損失が560億円になる。宮崎県にあるプラズマディスプレーパネル製造設備の評価額の引き下げが中心だ。一方で保有株式の売却で1000億円の利益を計上する。(14日 21:02)