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市が非常事態宣言〜救急医療の継続困難問題で
(3月15日付け)
紋別市の宮川良一市長は14日、市役所で記者会見し、道立紋別病院の医師不足などで紋別市の救急医療の維持が困難な状況にあることから、救急医療の「非常事態」を宣言。市民に対しては「救急車を安易に使わないでほしい」と述べた。あわせて、この4月からは、道立紋別病院、紋別医師会が連携をとり、緊急避難的に新しい緊急搬送体制を確立していく方向で、調整を進めていることを示した。
宮川市長によると、道立紋別病院側が2月25日に消防組合に対して、4月から夜間・休日の救急受入れを「一時休止する」と申し入れた。また輪番制で、夜間・休日の軽度な一次救急を行っている紋別医師会側も3月5日に紋別市に対して「道立紋別病院の二次救急ができないのなら、医師会としても開業医の高齢化などで一次救急ができない」と申し入れた。
こうしたことから市は「市民の健康、一次救急を預かる紋別市として、この事態に対して責任を持って対処する」として、4月から緊急避難的な体制をつくることにし、紋別保健所を交えて道立紋別病院、紋別医師会による新しい救急体制を実現させる方向で、検討を始めている。
現在、検討されている体制は、夜間・休日の救急体制について、紋別医師会の輪番のローテーションのなかに紋別道立病院を組み込む形。ただ、その場合も道立紋別病院での救急対応は、これまでの重症対応の二次救急ではなく、軽度の一次救急に限られる見込みだという。
道立紋別病院の常勤医師数は現在12人だが、循環器科の医師の退職などで4月からは9人になる予定。この人数では、当番制で救急にあたる医師の負担が大きく、救急医療が困難だと判断された。
宮川市長は会見で「今後の新体制構築に向けて努力するが、いずれにしろ、救急車を呼ぶほどの病気やケガでないのに、簡単に救急を使うコンビニ受診は、医師の負担を増し、医師のさらなる撤退につながる」として、市民には「不要不急の救急利用をしないようにお願いしたい」と重ねて強調した。
(記者会見する宮川市長=写真=)
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