●2008年 2月 |
2月26日に開催した今年度第10回青少年委員会(通算87回)では、継続審議となっている男児ポルノに関する今後の取り組みについてのほか、1月16日〜2月15日までに青少年委員会に寄せられた視聴者意見ならびに2月分の中学生モニターからの意見を基に審議した。また、中学生フォーラムと調査・研究について検討した。 |
◆ 男児ポルノに関する取り組みについて 前回委員会で、子どもポルノ、特に男児ポルノに対する世界の潮流や日本の現状について、ECPAT/ストップ子ども買春の会の宮本潤子氏を招き、意見交換を行ったが、今回委員会では、今後、委員会としてどのようにテレビの中での子ども、特に男児の裸について取り組んでいくか審議した。また、今月の視聴者意見でも、バラエティーの中で、小学生の男児2人の性器や女児のおむつ替えが写されていたことについて、「子どもの人権を踏みにじる内容だ」という批判意見が寄せられ、合わせて審議した。 各委員の意見は次のとおり。
以上の審議の結果、男児ポルノについての取り組みとして、次回委員会までに原案を作成し、再度慎重に議論したうえで、加盟社に対し委員会として文書を出すことになった。 ◆ CMの放送時間帯について R18指定映画の予告CMやレズビアンの世界を描いた米ドラマのDVDの宣伝CMについて、「子どもが見る時間帯に放送するのをやめてほしい」といった視聴者意見が寄せられ、委員から次のような発言があった。
以上の審議の結果、次回以降の委員会に放送局のCM担当者を招き、パチンコCMなども含めCMの放送時間帯についての実状をヒアリングしたうえで、委員会として議論を深めていくことになった。 ◆中学生フォーラムについて 第7回中学生フォーラム(3月26日、千代田放送会館にて開催)について、小田桐委員から次のとおり報告があった。
◆ 調査・研究について 来年度の調査・研究について、橋元副委員長から次のような報告があった。
<案2>「高校生・大学生の情報生活におけるテレビの位置づけ」調査 <案3>メディアの影響に関する少年院・触法少年調査 <案4>海外のテレビ放送における青少年関連の自己規制、青少年向け番組の調査 以上、4件の調査研究案が提案されたが、今後、橋元副委員長と是永委員を中心にさらに検討を加えたうえで、どの案を採用するか次回委員会で議論することになった。 ◆ 中学生モニターについて 今月は32人から、40件(1人で複数件の報告有)の報告が寄せられた。分野別では、今月はドラマがトップで16件、次いでバラエティーが13件を数え、この2つの分野で7割以上を占めた。以下はラジオ番組が3件、音楽番組・映画・ドキュメントが2件ずつ、そしてスポーツ番組と教養番組が1件ずつだった。 ● ドラマ番組
『貧乏男子』は「出演者も個性派ばかりで今までにないおもしろさを私に感じさせてくれる」、「人生はお金がすべてではない。大切にしてきたものは人との絆だと、堂々と主人公がふるまっているのに共感を覚えました」などと大好評だった。 『薔薇のない花屋』も「豪華なキャストで一人ひとりの個性も出ていておもしろい、ストーリーもよく人の優しさが感じられる物語」、「1話1話で謎が出てきて少し解決、そしてまた謎と次につながる話の構成もよい」などと好評だった。 『だいすき!!』は「障害を持つ人と接する機会が少ない人には、見て何か感じて欲しいと思いました」と好評だったが、「番組の終わりが近づいたときに突然“三年後”と変わった。少し、三年後につながるようなエピソードを提示してほしかった」と気になる点を挙げた意見もあった。 2月26日に開かれた青少年委員会でも『だいすき!!』について「中学生モニターは障害者の主人公を好意的に素直に見ている。こうした良心的なドラマが作られている事を評価したい」という意見があった。 ● バラエティー番組
『秘密のケンミンSHOW』は、「この種の番組は初めてで、特番のときから楽しく見ています」、「地域密着番組は好きだ。テレビでも、もう少し地元制作の番組を作るべきだと思う」などと2件とも好評だった。 『エンタの神様』は意見が分かれ、「エンタは芸人がたくさん出てるから好きな芸人だけを見てもいいし、いろんないま話題の芸人とかも見られるからとてもおもしろい」というものと、「最近出演している芸人はどうも話題性ばかりで、本当に“ネタ”だけで笑わせているのだろうかと疑問に思いました。ベテラン芸人のワンパターン化、新人芸人のしらけるようなつまらなさ…」という対照的な意見が寄せられた。 ほかに9番組に意見が寄せられおおむね好評だったが、『いきなり!黄金伝説』には「この番組は見ていてとても気分が悪い。なぜ無理して食べるのか?私にはこの番組を作っている方の気持ちが分からない」という批判的な意見があった。 ● その他の番組
『英語でしゃべらナイト』にも「昔からある英会話番組ではなく、毎回ゲストを呼んでその人達なりの勉強法や会話術を話していたりし、現代の国際社会に生きる私たち向けのテレビ番組でいいと思う」という報告があり、青少年委員会でも「いろいろ工夫していて楽しく品もユーモアもあり評価できる番組だ」という意見が出された。 また『バトルトークラジオ アクセス』の報告では、「全体的にとても良い番組。ニュースもしっかり説明してくれる。ただし議論で電話をつなぐリスナーは、もっとしっかり選ぶべき。時々、言いっ放しで収集のつかない人がいる」という指摘があった。 今期モニターの最後となる3月の報告は、3月中旬までひと月ほどの間に見た番組についての感想・批判・期待など。 以上 |