【北京14日時事】中国西部のチベット自治区ラサで14日、大規模な暴動が発生し、商店や車両が次々と火を付けられた。AFP通信によると数人が死亡し、多数が負傷。一方、米政府系放送局「ラジオ自由アジア」は、少なくとも2人が警官に射殺されたと伝えた。北京の日本大使館によれば、日本人が負傷したとの情報はない。
ラサでは中国支配に抗議する1959年の「チベット動乱」から49年を迎えた10日以降、数百人のチベット仏教僧らがデモを続けていた。チベットでは89年、大規模な独立要求デモがラサで発生し、戒厳令が布告されている。今回の暴動は同年以後では最大規模とみられる。
ラサ発の新華社電が目撃者の話として伝えたところによると、午後2時(日本時間同3時)ごろ、ラサの2本の大通り沿いの多数の商店が焼き打ちに遭い煙に包まれた。中心部にある寺院「ジョカン(大昭寺)」前の広場では住民が逃げ惑い、車が燃やされた。
米国に本拠を置く人権団体「チベットのための国際キャンペーン」によれば、火の手は大通りの至る所から上がり、一部の建物は焼け落ちた。また、警察車両にも火が付けられたという。
【関連記事】
ラサで火の手、銃声も=複数の負傷者-僧侶の抗議拡大、中国軍は寺院封鎖
【関連記事】
亡命チベット人100人を拘束=「帰郷」行進を阻止-インド当局
【関連記事】
ラサで抗議行動拡大、店舗炎上、銃声も=中国チベット自治区
【関連記事】
キス騒動R・ギアさんへの逮捕状無効に=インド最高裁