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中国:チベットで大規模デモ 数人死亡 「銃声」情報も

チベット自治区ラサ市
チベット自治区ラサ市

 【北京・大谷麻由美】中国のチベット自治区ラサ市中心部で14日、独立を求めるチベット仏教の僧侶や市民による大規模デモが警官隊と衝突。AFP通信は数人が死亡、負傷者も多数にのぼると伝えた。ロイター通信などによるとデモ隊は警察車両に向け投石し放火、複数の店舗にも火を付けた。在中国米大使館は「銃声が聞こえた」との情報を得た。北京五輪を約5カ月後に控え、デモ弾圧で死傷者を出したことで、中国政府への打撃は避けられない。

 米政府系「ラジオ自由アジア」は同日、目撃者の証言として少なくとも2人が死亡したと伝えた。

 報道によるとデモには300~400人が参加。デモ隊は車やバイク、バスに放火した。逮捕者は10人以上にのぼっている。人権団体の話では、僧侶の中にはハンガーストライキを始め、自殺を図って抗議する者もいるという。

 ラサでは10、11日に300~600人の僧侶らが抗議デモを実施。市中心部数カ所で火災が発生。武装警察は催涙弾を発射し約70人を拘束した。10日はダライ・ラマ14世が亡命するきっかけとなった1959年の中国軍によるチベット武力鎮圧から49年の記念日だった。

 中国外務省は13日、ラサで「少数の僧侶が社会動乱を起こし、チベット分離を企てた」と抗議活動の発生は認めたが「鎮圧された」としていた。

 中国は51年、チベットに人民解放軍を進駐させ、「チベット平和解放に関する協定」をチベット政権と結んだ。59年3月に社会主義化の影響を恐れた農奴主ら約2万人が蜂起したが軍に制圧され、ダライ・ラマ14世はインドに亡命した。

 89年3月に再び大規模な暴動がラサで発生し、当時の胡錦涛・チベット自治区書記が戒厳令を敷いた。同年、ダライ・ラマ14世はノーベル平和賞を受賞した。90年代前半にも抗議活動や僧侶の拘束が相次いだが、最近は自治区での目立った抗議活動は起きていなかった。

毎日新聞 2008年3月14日 20時28分 (最終更新時間 3月15日 0時00分)

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