医師配置の計算、「分からない」

 「これはもう、『個々の病院で計算してみてください』という話なのだろうか」――。2008年度診療報酬改定で「7対1入院基本料」に導入される医師の配置要件について、「分からない」、「謎だ」との声が医療関係者から上がっている。全日本病院協会(西澤寛俊会長)が3月13日に開催した診療報酬改定の説明会で、厚生労働省の担当者は「どう説明すれば分かっていただけるのかが分からない」と困惑した表情で答えた。(新井裕充)

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 この日の質疑応答では、7対1入院基本料の医師配置の要件に関する質問のほか、▽外来管理加算、▽医師事務作業補助体制加算――などに関する質問が寄せられ、説明会の講師を務めた厚労省保険局医療課の中野滋文課長補佐が答えた。

 このうち、7対1入院基本料の医師配置の要件について、説明会の司会を担当した猪口雄二副会長が「これはもう、『個々の病院で計算してみてください』という話なのだろうか」と質問した。

 中野補佐は「どう説明すれば分かっていただけるのかが分からないので、文章をそのまま読み上げる」と答え、参加者に配布された「診療報酬点数表・改正点の解説」の874ページをそのまま読み上げた。
 しかし、会場の参加者から「全然分からない」、「まいった」とつぶやく声があり、会場全体がざわめいた。西澤会長は腕組みをして、苦笑いしながら首をかしげた。



 前回の診療報酬改定で創設された「7対1入院基本料」を見直すため、今回の改定では患者の重症度などを測る「看護必要度」と「医師の配置要件」が導入された。
 このうち、医師の配置要件は「医師数が当該病棟の入院患者数に対して10分の1以上」となっている。この医師数の計算方式が複雑で分かりにくいとの声が医療関係者から出ている。

 3月10日に全国公私病院連盟(竹内正也会長)と日本病院会(山本修三会長)が共催した診療報酬改定の説明会では、「310床の場合は3人か、4人か。切り上げか切り捨てか」との質問が出たが、この日講師を務めた厚労省保険局医療課の宇都宮啓企画官は「確認する」と答えるにとどめている。

 医師配置の計算について、ある病院の事務長は「まったく謎だ。全体の許可病床数または平均患者数から割り出す方法と、7対1を算定している病棟の患者数から割り出す方法の2つが考えられるが、7対1の話だから後者だろうとは思う。現時点では判断に困っている」と話している。

 ※ その他の質疑応答について、詳しくは「全日病の説明会で、厚労省が回答」をご覧ください。
 http://www.cabrain.net/news/article/newsId/15105.html


更新:2008/03/14 20:35     キャリアブレイン

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08/01/25配信

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医師の山田規畝子さんは、脳卒中に伴う高次脳機能障害により外科医としての道を絶たれました。しかし医師として[自分にしかできない仕事]も見えてきたようです。