■ ギョーザ事件影響し、室蘭地方でも国産野菜高騰
【2008年3月14日(金)朝刊】


 ギョーザ事件による消費者の中国産野菜離れや、寒さによる生育不良が原因となり、室蘭地方でも国産野菜が高騰している。室蘭市内の小売店では長ネギを筆頭に、キャベツやニンジンなどが影響を受け、昨年同期の2―3割高。各店では少量パックの小分けなどで対応しているが、各家庭では原油高と相まって家計に大きく響きそうだ。

 室蘭市東町に本社を持つ志賀綜合食料品店。長ネギは昨年同期の2割高。Lサイズ3本で約298円だったのが、現在2本で約228円。今の時期に店頭に並ぶのは関東産が主流だが、「4月になれば北海道産の長ネギが入ってくるので価格も多少落ち着く」とみる。

 同東町のポスフール室蘭。長ネギは通常2Lサイズ2本で100―158円で販売しているが、現在は298円。同中島町の長崎屋室蘭なかじま店も通常3本束で販売しているが、現在は2本に減らし「価格に反映させないようにしている」

 室蘭市中央卸売市場丸果室蘭青果は「中国産野菜の残留農薬問題に続く中毒ギョーザ事件が影響し、中国の輸入に頼っていた九州・関西方面の食品加工業社や外食産業が国産に切り替えたことで、関東産が引っ張られるようになった」と値上がりの背景を説明。

 一方、長ネギのほかポスフール室蘭ではニンジンやダイコン、キャベツも昨年同期の2、3割高となっている。「本州の寒さと雪の影響による成育不足」を指摘し、「ここ1週間、小分けにして少量パックで販売することが多くなりました」と苦悩を語っている。

 長崎屋室蘭なかじま店でもキャベツやハクサイも値上がり傾向。「旬の品を日替わりで安く提供するなど工夫します」と対策を考えている。

 同丸果室蘭青果は「天候が良かった昨年に比べ、今年は寒さの影響で出荷量が減っており、野菜の価格は全体的に例年より高い。4月に入ると北海道産が出回るので少しは良くなると思うが、今季の完全回復は難しいのでは」と話している。

 
 


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